●いき
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
いき
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世界大百科事典 第2版
いき
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日本大百科全書(ニッポニカ)
いき
おもに近世後期に流行した美意識。「意気」からきた語と考えられるが、近世に町人の遊びの世界での美意識として用いられるようになる。近世初期に、心持ちのさっぱりしているのを「いきよし」と表現しているが、近世前期の上方(かみがた)を中心とする遊びの世界では「すい」がおもな美意識であった。江戸に文化の中心が移る近世後期に、「すい」にかわって「通(つう)」「いき」が育つ。「通」が男性の遊びの美意識であるのに対して、「いき」は「いきな人」「いきななり」「いきなはからい」など、洗練された美を表す語として広く用いられる。文学の面でいえば、「通」の文学である洒落本(しゃれぼん)よりも、その後発生した女性向きの人情本に多く用いられているので、女性中心の美意識であるという見方もある。「いき」の徴表としては、九鬼(くき)周造のいう「媚態(びたい)・意気地(いきじ)・諦(あきら)め」をあげることができ、崩れそうで崩れない微妙な緊張感が「いき」を形成するものである。
[武藤元昭]
『九鬼周造著『「いき」の構造』(岩波文庫)』▽『西山松之助著『江戸選書 1 江戸ッ子』(1980・吉川弘文館)』
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