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せる【セル】

デジタル大辞泉

せる[助動]
[助動][せ|せ|せる|せる|せれ|せろ(せよ・せい)]五段動詞の未然形サ変動詞の未然形「さ」に付く。
相手が自分の思うようにするよう。また、ある事態が起こるようにしむける意を表す。「使いに行かせる」「あすは休まてやる」
(「せていただく」「せてもらう」の形で)相手方の許しを求めて行動する意を表す。「言わていただく」「やらてもらう」
(「せられる」「せたもう」の形で)尊敬の意を表す。「殿下は極めてご多忙であらられる」→させる

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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精選版 日本国語大辞典

せる
〘動〙 (終止形・連体形だけが見られる) する。行なう。
※滑稽本・東海道中膝栗毛(1802‐09)三「『アゼどふせる』『ハテおれがせることがある。見され』」

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せる
〘助動〙 (活用は「せ・せ・せる・せる・せれ・せよ(せろ)」。五段(四段)活用の動詞の未然形に付く) す
(活用は「せ・せ・す・する・すれ・せよ」。四段活用、ナ行・ラ行変格活用の動詞の未然形に付く)
[一] 使役の意を表わす。
① 他にその動作をさせる意、またはそのように誘発する意を表わす。
※万葉(8C後)一八・四〇六七「二上(ふたがみ)の山に隠れるほととぎす今も鳴かぬか君に聞か勢(セ)む」
※平家(13C前)四「馬の足の及ばうほどは、手綱をくれて歩ませよ。はづまばかい繰って泳がせよ」
② そのような動作、作用が行なわれることを許可する、またはそのまま放任する意を表わす。…のままにする。…させておく。武士ことばとして、受身の「る」の代わりに用いられることがある。
※土左(935頃)承平五年二月一六日「こよひ、かかることと、声高にものも言はせず」
※平家(13C前)三「僧都〈略〉あやしの臥どへも帰らず、浪に足うちあらはせて、露にしほれて」
③ 許しを依頼する意を表わす。
※都会の憂鬱(1923)〈佐藤春夫〉「あなたの顔を描かせていただきたいものですね」
[二] 敬意を表わす。
① (尊敬を表わす語とともに用いて) 尊敬の意を強める。
※竹取(9C末‐10C初)「仰(おほせ)ごとに〈略〉よく見て参るべき由のたまはせつるになん、参りつる」
※枕(10C終)二四五「なほ高く吹かせおはしませ。え聞きさぶらはじ」
② (謙譲を表わす語とともに用いて) 謙譲の意を強める。
※枕(10C終)一三八「これ奉らせんと言ひければ」
[語誌](1)「せる(す)」は「させる(さす)」と接続の上で補いあう関係にあり、意味は同一である。
(2)中世(室町時代)以後、活用が下一段化し、現代の「せる」となる。
(3)使役の「す」は、平安時代に発達したものであるが、上代にも、(一)①の挙例「万葉集」の「聞かす」のほか、「知らす」「逢はす」など、その萌芽とみられる例がある。他動詞語尾の「…す」と密接な関係を持つものであろう。
(4)敬語としての用法は、使役の表現が動作の間接性を表わすところから転じたものと見られる。単独には用いられず、尊敬語の動詞、「のたまふ」「賜ふ」に下接し、また、連用形「せ」が「給ふ」「おはします」「まします」などに上接する。敬語を重ねることによって高い敬意を表わすもので、特に「せ給ふ」「のたまはす」などは、天皇・皇后やそれに準ずる人にだけ用いられる。
(5)現在では「行幸あらせられた」など、「られる」と重ねて改まった尊敬の気持を表わす場合のほかは、敬意を表わすのには用いられない。
(6)「す」(「さす」も同じ)は漢文訓読語としては用いられず、仮名文学作品にもっぱら用いられた。漢文訓読文での使役の表現には、上代以来の「しむ」が用いられている。
(7)動詞の活用語尾に準ずるものとして、接尾語とする説もある。

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