●と【ト】
デジタル大辞泉
と[五十音]
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と[名]
「我が背子を莫越(なこし)の山の呼子鳥(よぶこどり)君呼び返せ夜のふけぬ―に」〈万・一八二二〉
2 …する時。
「宍串(ししくし)ろ熟睡(うまい)寝し―に庭つ鳥鶏(かけ)は鳴くなり」〈継体紀・歌謡〉
[補説]語源を「外(と)」あるいは「処(と)」に関係づける説などがあるが、未詳。
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と[副]
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と[格助・接助・並助]

1 動作をともにする相手、または動作・関係の対象を表す。「子供―野球を見に行く」「友達―けんかをした」「苦痛―闘う」
「しぐれ降る暁月夜紐解かず恋ふらむ君―居(を)らましものを」〈万・二三〇六〉
2 (文や句をそのまま受けて)動作・作用・状態の内容を表す。引用の「と」。「正しい―いう結論に達する」
「名をばさかきの造(みやつこ)―なむいひける」〈竹取〉
3 比較の基準を表す。「君の―は比べものにならない」「昔―違う」
「思ふこといはでぞただにやみぬべき我―ひとしき人しなければ」〈伊勢・一二四〉
4 動作・状態などの結果を表す。「有罪―決定した」「復讐(ふくしゅう)の鬼―化した」
「年をへて花の鏡―なる水は散りかかるをやくもるといふらむ」〈古今・春上〉
5 (副詞に付いて新たな副詞をつくり)ある状態を説明する意を表す。「そろそろ―歩く」「そよそよ―風が吹く」
「ほのぼの―春こそ空に来にけらし天のかぐ山霞たなびく」〈新古今・春上〉
6 (数量を表す語に付き、打消しの表現を伴って)その範囲以上には出ない意を表す。…までも。「全部で一〇〇円―かからない」「一〇〇キロ―走らなかった」
7 (同一の動詞・形容詞を重ねた間に用いて)強調を表す。
「世にあり―あり、ここに伝はりたる譜といふものの限りをあまねく見合はせて」〈源・若菜下〉
[補説]4は「に」と共通する点があるが、「と」はその結果を表すのに重点がある。7は、現在も「ありとあらゆる」などの慣用句的表現の中にわずかに残っている。

1 二つの動作・作用がほとんど同時に、または継起的に起こる意を表す。…と同時。…とすぐ。「あいさつを終える―いすに腰を下ろした」「玄関を開ける―、子供が迎えに出てきた」
「銀(かね)請け取る―そのまま駆け出して」〈浄・大経師〉
2 ある動作・作用がきっかけとなって、次の動作・作用が行われることを表す。「汗をかく―風邪をひく」「写真を見る―昔の記憶がよみがえる」
「年がよる―物事が苦労になるは」〈滑・浮世床・初〉
3 順接の仮定条件を表す。もし…すると。「見つかる―うるさい」「ドルに直す―三〇〇〇ドルほどになる」
「今言ふ―悪い」〈伎・幼稚子敵討〉
4 逆接の仮定条件を表す。たとえ…であっても。…ても。
㋐意志・推量の助動詞「う」「よう」「まい」などに付く。「何を言われよう―気にしない」「雨が降ろう―風が吹こう―、毎日見回りに出る」
㋑動詞・形容動詞型活用語の終止形、および形容詞型活用語の連用形に付く。
「たのめずば人をまつちの山なり―寝なましものをいさよひの月」〈新古今・恋三〉
「ちと耳いたく―聞いて下され」〈浮・曲三味線・一〉
5 次の話題の前提となる意を表す。「気象庁の発表による―、この夏は雨が少ないとのことだ」
[補説]3は中世以降用いられた。また、中古から使われていた4㋑は、現代語では4㋐のように特殊な慣用的用法として残っているだけである。

「幸ひの、なき―ある―は」〈源・玉鬘〉
[補説]並立する語ごとに「と」を用いるのが本来の用法であるが、現代語ではいちばんあとにくる「と」を省略するのが普通となっている。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
と
五十音図第4行第5段の仮名。平仮名の「と」は「止」の草体から、片仮名の「ト」は「止」の初めの2画からできたものである。万葉仮名には2類あって、甲類に「刀、斗、杜、塗、妬、都(以上音仮名)、礪、速、戸、利(以上訓仮名)」、乙類に「等、登、澄、得、騰、苔(以上音仮名)、十、鳥、常、迹、跡(以上訓仮名)」が使われ、濁音仮名としては、甲類に「土、度、渡、奴、怒(以上音仮名のみ)」、乙類に「抒、杼、特、藤、騰、等(以上音仮名のみ)」が使われた(「等、騰」は清濁両用)。ほかに草仮名としては「(東)」「
(登)」「
(度)」などがある。
音韻的には/to/(濁音/do/)で、上歯茎と舌との間で調音する無声破裂音[t](有声破裂音[d])を子音にもつ。上代では甲乙2類に仮名を書き分けるが、これは当時の音韻を反映したものと考えられる。
[上野和昭]
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精選版 日本国語大辞典
と【と】
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と
(2)打消の助動詞「ぬ」に接続して「…しない前に」の意の用法が多いことから内に対する「と(外)」との関連を考える説もある。
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と
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と
(2)(二)①の用法は、本来「も」の力によって仮定の逆接条件を表わす助詞としての機能をもつ「とも」の「と」がそれだけで用いられるに至ったものと考えられる。
(3)(二)②の用法は①からの発展ではなく、格助詞「と」に源があると推定される。
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と
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