●な【ナ】
デジタル大辞泉
な[五十音]
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な[副]
1 あとに動詞の連用形(カ変・サ変は未然形)を伴って、禁止の意を表す。…するな。
「妹があたり我(あ)は袖振らむ木の間より出て来る月に雲―たなびき」〈万・一〇八五〉
2 「な…そ」の形で、動詞の連用形(カ変・サ変は未然形)を間にはさんで、相手に懇願しつつ婉曲に禁止する意を表す。どうぞ…してくれるな。
「ほととぎすいたく―鳴きそ汝(な)が声を五月の玉にあへ貫(ぬ)くまでに」〈万・一四六五〉
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な[助動]


1 断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の音変化「なん」の、撥音の無表記。→ななり →なめり →ならし
2 《中世語》断定の助動詞「なり」の連体形「なる」の音変化。
「連銭(れんぜん)芦毛(あしげ)ナ馬ニ金覆輪(きんぶくりん)ノ鞍ヲ置イテ」〈天草本平家・二〉


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な[終助・間助・格助・係助]

1 動詞・動詞型助動詞の終止形、ラ変型活用語の連体形に付く。禁止の意を表す。「油断する
「かの尼君などの聞かむに、おどろおどろしく言ふ―」〈源・夕顔〉
2 《補助動詞「なさる」の命令形「なさい」の省略形》動詞・動詞型助動詞の連用形に付く。命令の意を表す。「早く行き
3 活用語の終止形、助詞に付く。
㋐軽い断定・主張の意を表す。「これは失敗だ
㋑(多く「なさい」「ください」「ちょうだい」などに付いて)命令をやわらげていう意を表す。「これください
㋒相手の返答・同意を求めたり、念を押したりする意を表す。「君も行ってくれるだろう
「こは常陸(ひたち)の宮ぞかし―、しか侍りと聞こゆ」〈源・蓬生〉
㋓感動・詠嘆の意を表す。「この暑さにはまいった
「花の色はうつりにけり―いたづらにわが身世にふるながめせしまに」〈古今・春下〉
4 《上代語》動詞・動詞型助動詞の未然形に付く。
㋐自分の決意・願望を表す。…しよう。…したい。
「帰るさに妹に見せむにわたつみの沖つ白玉拾(ひり)ひて行か―」〈万・三六一四〉
㋑他に対する勧誘・願望の意を表す。…しようよ。
「梅の花今盛りなり思ふどちかざしにして―今盛りなり」〈万・八二〇〉


1 《上代語》名詞に付く。連体修飾格を示す。の。
「ま―かひに、もとなかかりて」〈万・八〇二〉
2 《格助詞「に」の音変化。上代東国方言》時間・場所を表す。に。
「草陰の安努(あの)(=地名)―行かむと墾(は)りし道安努は行かずて荒草立ちぬ」〈万・三四四七〉
[補説]1は現在「まなこ(眼)」「みなと(港)」などの語にその形をとどめる。

「また生滅々已(しゃうめつめつい)の心北門―建長寺」〈虎明狂・鐘の音〉
[補説]能・狂言・平曲などに行われたが、本文表記は「は」のままなのが普通。
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な[接尾]
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な[感]
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日本大百科全書(ニッポニカ)
な
五十音図第5行第1段の仮名。平仮名の「な」は「奈」の草体から、片仮名の「ナ」は「奈」の初めの2画からできたものである。万葉仮名では「奈、那、南、難、儺、寧、乃、娜、男(以上音仮名)、七、名、魚、菜、嘗(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(奈)」「
(那)」「
(難)」「
(南)」などがある。
音韻的には/na/で、舌先と上歯茎との間を閉じた舌内鼻音の[n]を子音にもつ。中央語では室町時代の末ごろまで連声(れんじょう)が盛んで、これによって生じた「な」もあった(「善悪(ゼンナク)」「恩愛(オンナイ)」「淳和(ジュンナ)」……)。
[上野和昭]
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精選版 日本国語大辞典
な
(2)品詞については副詞とするのが一般であるが、他に係助詞説、副助詞説、助動詞説などがある。
(3)三つの型のうち、①および③は中古には見られなくなり、②の「な…そ」の型と、終助詞による「…な」の形が中古以後に引き継がれる。
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な
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な
(2)((二)について) (イ)間投助詞とされる詠嘆の意の「な」は、上代より用例が見られるもので、終助詞「がな」「かな」の「な」と同類かといわれる。上代では、囃しことばに付くような例もあるが、多くは、「空は行かず 足よ行く那(ナ)」(空を飛んでは行かず、足で歩いて行くことよ)〔古事記‐中・歌謡〕のような独白的な用法である。(ロ)中古以降では、対他的な用法の例が多くなる。こうした詠嘆の間投助詞「な」は、室町時代になると、「の」「なふ」(キリシタン資料では開長音nǒ)のような転訛形が併せ用いられるようになり、近世には、「なふ」はオ段長音の「のう」の形でうけつがれ、新たに「な」の長音形「なあ」、そして「ね」「ねえ」も加わって、現代語にまでつながる多様な間投助詞群を形成することになる。
(3)((三)について) (イ)終助詞とされる「な」には、希望の意のものと禁止の意のものとがあるが、このうち、希望の「な」は、上代特有のものである。意味の面では、助動詞「む」とかなり接近したもので、この点は、例えば「万葉‐三六四三」に、「沖辺より船人のぼる呼び寄せていざ告げ遣らむ旅の宿りを あるは云はく、旅の宿りをいざ告げ遣ら奈(ナ)」とあって、「告げ遣らむ」の形に対して「告げ遣らな」の形が異伝としてあったといったことでもうかがわれる。(ロ)中古に入ると、「む」にその席を譲って、(一)の希望の「な」は用いられなくなる。一方、(二)の禁止の意の「な」は、今日まで用いられてきた。同じく禁止の言い方である「な…そ」とともに訓点資料には見られず、また、「な」は「な…そ」の形による禁止表現よりも直接的できびしいものといわれる。(ハ)中世以降、禁止表現としては、「な」の方がよく用いられたが、連体形を受けるもの、連用形を受けるものなどが現われる。「金刀比羅本保元‐中」の「相構而(あひかまへて)一所へばし落ちぬるな」、「太平記‐六」の「懸入る敵に中を破(わら)れな」、「童謡・メーデーごっこ〈槇本楠郎〉」の「おそれな みだれな」など。
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な
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な
(2)打消のク語法の「なく」、上代東国方言の反復継続の語尾「ふ」に接続する「なふ(なう)」などの「な」はこの古い打消の助動詞の未然形であると考えられる。
(3)打消の助動詞は現代語の「ない」のように、ほとんどすべての動詞に接続する文法的機能の高い要素であるにもかかわらず、なぜこれが衰退したのかについてはまだよくわかっていない。
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「な」の用語解説はコトバンクが提供しています。
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