●に【ニ】
デジタル大辞泉
に[五十音]
出典:小学館
監修:松村明
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に[助動]
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に[格助・接助・終助・並助]

1 動作・作用の行われる時・場所を表す。「三時
「熟田津(にきたつ)―舟(ふな)乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」〈万・八〉
「二十一日、卯(う)の時ばかり―船出(い)だす」〈土佐〉
2 人・事物の存在や出現する場所を表す。「庭
3 動作・作用の帰着点・方向を表す。「家
「蟻のごとくに集まりて、東西―急ぎ、南北―走(わし)る」〈徒然・七四〉
4 動作・作用・変化の結果を表す。「危篤
「青葉―なり行くまで、よろづにただ心をのみぞ悩ます」〈徒然・一九〉
5 動作・作用の目的を表す。「見舞い
「白馬(あをうま)見―とて里人は車清げにしたてて見―行く」〈枕・三〉
6 動作・作用の行われる対象・相手を表す。「人
「人―若菜給ひける御歌」〈古今・春上・詞書〉
7 動作・作用の原因・理由・きっかけとなるものを示す。…のために。…によって。「あまりのうれしさ
「春の野に若菜摘まむと来(こ)しものを散りかふ花―道はまどひぬ」〈古今・春下〉
8 動作・作用の行われ方、その状態のあり方を表す。「直角
「桐の木の花、紫―咲きたるはなほをかしきに」〈枕・三七〉
9 資格を表す。…として。「委員
「はじめより我はと思ひあがり給へる御方々、(桐壺ノ更衣ヲ)めざましきもの―おとしめそねみ給ふ」〈源・桐壺〉
10 受け身・使役の相手・対象を表す。「犬
「ありがたきもの、舅(しうと)―ほめらるる婿」〈枕・七五〉
11 比較・割合の基準や、比較の対象を表す。「君
「御袴着(はかまぎ)のこと、一の宮の奉りし―劣らず」〈源・桐壺〉
12 (場所を示す用法から転じて、多く「には」の形で)敬意の対象を表す。「博士
「うへ―も聞こしめして渡りおはしましたり」〈枕・九〉
13 (動詞・形容詞を重ねて)強意を表す。「騒ぎ
「風いたう吹き、海の面(おもて)ただあし―あしうなるに」〈枕・三〇六〉
14 「思う」「聞く」「見る」「知る」などの動詞に付いて状態・内容を表す。
「この継母の有様をあたらしきもの―思ひて」〈源・帚木〉
15 比喩(ひゆ)の意を表す。
「逢坂をうち出でて見れば近江の海白木綿花(しらゆふはな)―波立ち渡る」〈万・三二三八〉

1 あとの叙述の前置きとして続ける意を表す。…と。…ところ。「考えてみる
「あやしがりて寄りて見る―、筒の中光りたり」〈竹取〉
2 理由・原因を表す。…ので。…だから。
「渡し守、はや舟に乗れ、日も暮れぬと言ふ―、乗りて渡らむとするに」〈伊勢・九〉
3 逆接の確定条件を表す。…けれども。…のに。…だが。
「日中の照りに乾いて、きょうは道が好かった―、小庭の苔はまだ濡れている」〈鴎外・蛇〉
「よろしうよみたりと思ふ歌を人のもとにやりたる―、返しせぬ」〈枕・二五〉
4 添加・並列を表す。…のに加えて。…の上にさらに。
「旅の空を思ひやるだにいとあはれなる―、人の心もいと頼もしげには見えずなむありける」〈かげろふ・上〉
[補説]接続助詞「に」は、用言の連体形に付く格助詞「に」から転じたもので、1は口語では多く「要するに」「こともあろうに」などの慣用的表現として用いられる。

1 《上代語》活用語の未然形に付く。他に対してあつらえ望む意を表す。…てほしい。
「ひさかたの天路(あまぢ)は遠しなほなほに家に帰りて業(なり)をしまさ―」〈万・八〇一〉
2 《近世語》活用語の終止形に付く。軽く注意を促したり、とがめたりする意を表す。…のにな。…のだぜ。
「飯をたいたら、かゆになってしまうわな。米をたくといへばいい―」〈滑・膝栗毛・初〉

「有識(いうそく)―公事(くじ)のかた、人の鏡ならんこそいみじかるべけれ」〈徒然・一〉
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日本大百科全書(ニッポニカ)
に
五十音図第5行第2段の仮名。平仮名の「に」は「仁」の草体から、片仮名の「ニ」は「二」からできたものである。万葉仮名では「爾、邇、二、仁、人、日、尼、耳、而、柔、珥、貳(以上音仮名)、丹、荷、煮、似、煎(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(仁)」「
(尓)」「
(耳)」「
(丹)」「
(二)」「
(尼)」などがある。
音韻的には/ni/で、前舌面と硬口蓋(こうこうがい)との間で閉鎖ができる[ɲ]を子音にもつ。中央語では室町時代の末ごろまで連声(れんじょう)が盛んで、これによって生じた「に」もあった(「嗔恚(シンニ)」「村邑(ソンニウ)」……)。
[上野和昭]
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精選版 日本国語大辞典
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