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ぬか【ヌカ】

デジタル大辞泉

ぬ‐か
[連語]《打消しの助動詞「ず」の連体形+係助詞「か」。上代語》(多く「も…ぬか」の形で)詠嘆の気持ちをこめた願望の意を表す。…ないかなあ。…てほしい。
「ひさかたの天の川津に舟浮けて君待つ夜らは明けずもあら―」〈・二〇七〇〉
[補説]「ぬか」の「ぬ」にはすでに打消しの意は失われているところから、一語で願望の終助詞とみる説もある。→ぬかも

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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精選版 日本国語大辞典

ぬ‐か
[1] 〘終助〙 ある事態の生ずることを願う意を表わす。…てくれでもしないかなあ。…であってほしい。→ぬかも
※万葉(8C後)三・三三二「吾が命も常にあら奴可(ヌカ)昔見し象(きさ)の小河を行きて見むため」
[2] (打消の助動詞「ず」の連体形に疑問の係助詞「か」の付いたもの) 打消の意をこめた疑問を表わす。…ないのか。
※古今(905‐914)恋四・七三一「かげろふのそれかあらぬか春雨の降る日となれば袖ぞぬれぬる〈よみ人しらず〉」
[語誌](1)(一)は「万葉」に例が多く、「…も…ぬか」の形になる係助詞「も」との呼応傾向や、打消表現一般に用いられた「不」字をこの場合は用いていないという表記上の特徴などによって、注意されてきた。しかし、連語としての意味の違いを除けば(二)と同様、打消の助動詞「ず」の連体形「ぬ」と疑問の係助詞「か」とで構成されている。
(2)打消の助動詞は疑問の助詞と呼応する場合、狭義の打消以外に、種々確認をするような意味合いで肯定的に用いられることが多く、(一)のように願望の意に用いられるのもその一つである。形は違っても、同様の呼応による願望の表現には、中古にも「御でしにやはなし給はぬといふ」〔宇津保‐忠こそ〕のような例がある。この例は疑問の係助詞「や」の文中用法および係助詞「は」が、「ず」の連体形「ぬ」と呼応したものである。
(3)上代語で「も」を用いた表現に中古以降「は」が取って代わる傾向は、反語の「かも」「やも」が「かは」「やは」に変わるのと同様であろう。この種の呼応が願望の表現になる一般傾向からいって、「万葉」に「ぬか」の形が特にめだつのは、文体の問題である可能性が強い。

出典:精選版 日本国語大辞典
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