●ぬ【ヌ】
デジタル大辞泉
ぬ[五十音]
出典:小学館
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ぬ[助動]
1 打消しの意を表す。「まかぬ種は生えぬ」「思わず叫ぶ」「勉強をしない生徒がよい成績をとれるはずがありません」
2 (「てはいかん」「てはならぬ(ん)」の形で)禁止の意を表す。「高山植物を採ってはいかん」
3 (「ねばならぬ(ん)」「ねばなるまい」の形で)当然・義務の意を表す。「明日は会社に八時までに行かねばならぬ」
4 (「ずともよい」「ぬともよい」「んでもいい」の形で)許容・許可の意を表す。「君は行かずともよい」「風邪をひいているから風呂はわかさんでもいい」
5 (文末にあって「ん」「ぬ(ん)か」の形で)催促・勧誘・依頼の意を表す。「早く起きんか」「あなたも体操をなさいませんか」
「三谷さんに一服さしあげて下さいません?」〈康成・千羽鶴〉
[補説]打消しの助動詞は、共通語においては「ない」を用いるのが普通で、「ます」に続く「ん」以外の「ぬ(ん)」は、主に文語的表現や慣用句的表現に使われるだけであるが、関西を中心とする西部の方言では「ぬ(ん)」が広く用いられる。連用形「ん」は「んで」「んでも」の形で用いられる。
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ぬ[助動]
1 動作・作用が完了または実現したことを表す。…た。…てしまう。…てしまった。
「夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらむ」〈古今・夏〉
2 (多く「なむ」「ぬべし」「ぬらむ」の形で)動作・作用の確認または強意を表す。きっと。確かに。
「春ごとに花のさかりはありなめどあひ見む事は命なりけり」〈古今・春下〉
「今度のいくさには相違なく勝ちぬとおぼゆるぞ」〈平家・七〉
3 (「ぬ…ぬ」の形で)動作・作用の並列または継続を表す。…たり…たり。…したし…した。→たり →つ →り
「備中守浮きぬ沈みぬし給ひけるを」〈平家・九〉
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日本大百科全書(ニッポニカ)
ぬ
五十音図第5行第3段の仮名。平仮名の「ぬ」は「奴」の草体から、片仮名の「ヌ」は「奴」の旁(つくり)からできたものである。万葉仮名では「奴、農、濃、怒、努(以上音仮名)、沼、宿、寐(以上訓仮名)」などが使われた。ほかに草仮名としては「(奴)」「
(怒)」「
(努)」「
(駑)」などがある。
音韻的には/nu/で、舌先と上歯茎との間を閉じた舌内鼻音の[n]を子音にもつ。中央語では室町時代の末ごろまで連声(れんじょう)が盛んで、これによって生じた「ぬ」もあった(「寒雲(カンヌン)」「本有(ホンヌ)」「関羽(クヮンヌ)」……)。
[上野和昭]
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精選版 日本国語大辞典
ぬ
(2)ナ行変格の動詞には付かないといわれているが、「死ぬ」については、中世、「今昔‐二」の「其の詞(ことば)終らざるに、即ち、死にぬ」などの例がある。
(3)③のような「…ぬ…ぬ」の形ではないが、「金刀比羅本保元‐中」に「院も合戦の紛なれば、供御(ぐご)もまいらずして、きのふも暮ぬ、今夜もあけなむとす」のような、終止形を用いた中止用法が中世以後に多くみられる。
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ぬ
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ぬ
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