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またぎ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

またぎ
マトギ,マトウノモノ,ヤマダチ (山立) などともいう。東北地方の山間部に居住し,集団でくま,しかなど大型動物の狩りをする人々。スカリなどと呼ばれる頭目のもとに,マタギ組をつくり古式に従って狩りを行う。捕獲物の配分や解体の儀礼にも古いしきたりを残しており,また山中では彼らの間にのみ伝えられる山言葉が使われる。マタギを大きく区分すれば,日光系と高野系に分けられ,相伝の『山立由来記』によれば彼らの祖先が山の神を助けたにより山中の狩猟を許されたという (→磐次磐三郎 ) 。近世以後のマタギは,年の半分は農業に従事して定着し,狩は副業化する傾向をみせた。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

またぎ
東北・北越、特に秋田地方の山間に住む猟師一団。狩猟中は山言葉を使い、頭目の指揮下に古来伝統を守って生活する。まとぎ。やまだち。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

またぎ
青森,岩手秋田,宮城,新潟などの山中で,古い猟法を守って狩りを行う人々を指して呼ぶ語。,又鬼などの文字をあてることもあり,アイヌ語で狩猟者をマタンギトノというので,これから転じた語という説もあるが,名称の伝播は逆に日本語から移ったものらしい。東北地方では特定の業に従う人であるが,アイヌでは狩猟は一般人の生業であったからである。語源が不明なため上記のほかにいくつかの説がある。山をまたいで歩くからとか,山中を他領に越境して猟をするので,他地住民にとがめられた場合にマダ(繊維を生ずる樹皮)をはぎにきたといつわったので,〈マダハギ〉からマダギとなったとするもの,また,四国南部で狩することを意味するマトギからきたとするものなどである。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

またぎ

クマ、カモシカなど大形山獣の集団猟を業としてきた東北山村の狩人(かりゅうど)の称。おおむね山奥に独自の集落生活を営み、農耕、山稼ぎにも従事したが、冬から春にかけては深山に分け入り、仮泊の生活を続けながら狩猟に専念してきた。スカリとよぶ頭目(指揮者)のもとに数名の猟仲間(マタギ組)がつくられていて、各自伝統の手法で集団猟に従事するが、「巻き山」(巻き狩り)と「穴捕り」(クマ)が主で、前者は谷を巡って山獣を追い出し、尾根筋でしとめる猟法、後者は春先「穴ごもり」のクマを目ざす特異な猟法である。マタギへの鉄砲の導入は古く、古式の銃丸の製法なども踏襲されてきたが、一方、古風な手槍(てやり)(ヤリ、タテ)なども併用された。しかし弓矢猟の古い形はほとんど残っていない。深雪の山間行動に耐えるため、マタギの狩り支度には特異なくふうが加えられ、毛衣や足ごしらえ、あるいは「長柄」という雪中徒渉の雪べらなど、注目すべきものが多い。マタギ猟には山の神信仰に根ざす禁忌伝承が多く、「山入り」には厳しい「浄(きよ)め」の作法があり、山中生活では「山ことば」という特異の忌みことば(水=ワッカ、米飯=クサノミなど)を用いた。獲物の解体処理にも「毛祭り、毛ボガイ」など特異な儀礼があり、また獲物の配分方式にもいろいろな「得分(とくぶん)」の決まりがあった(致命弾の射手の特殊配分などについてである)。「マタギ組」には「山立根本巻(やまだちこんぽんのまき)」という伝書が多く伝えられていて、「スカリ」はそれを保存し、古くは山中生活にも携えて行く例であった。その内容はマタギ猟の由来を示し、その職祖が山の神の恩寵(おんちょう)により深山における狩猟かせぎの特権を得たというもの。日光派、高野(こうや)派の2種があるが、いずれも山の神のつかさどる深山幽谷に自在の狩猟を行い、殺生を事とすることを山の神から特免されたという「職の由緒」を示すところで、それがのちに修験(しゅげん)の徒の関与で修飾された態のものである。「無主の地」における自在の狩猟を保証するには、山の神信仰にちなむこうした職祖伝承で久しく事足りたのである。

[竹内利美]

『後藤俊夫著『マタギ』(1982・秋田書房)』『太田雄治著『マタギ――消えゆく山人の記録』(1979・翠楊社〈パンセ〉)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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