●アイスランド低気圧【アイスランドていきあつ】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
アイスランド低気圧
アイスランドていきあつ
Icelandic low
北半球の亜寒帯低圧帯のうち,アイスランドとグリーンランドの間にほぼ一年中存在する大規模な低気圧。冬季に最も発達し,北ヨーロッパ,北部カナダと北極海の一部を覆う。夏季には北極海の中央部にかなり広い高圧部が発達するために後退し,南下する。この低気圧は北半球全体の天候に影響を与える。特に冬季に,北アメリカ大陸や北大西洋の西部地方からヨーロッパへ移動してくる低気圧群はアイスランド南方で最も優勢となり,北ヨーロッパや中央ヨーロッパに風雨をもたらす。夏季は冬季に比べると弱くなり,数も少なくなる。
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デジタル大辞泉
アイスランド‐ていきあつ【アイスランド低気圧】
北大西洋のアイスランドを中心とする海域に、ほぼ定常的に存在する大きな低気圧。太平洋のアリューシャン低気圧と同じく、亜寒帯低圧帯に属す。冬に最も発達し、夏は中心がやや東に移動して分裂し、カナダのバフィン島付近に別の低気圧が現れる。
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世界大百科事典 第2版
アイスランドていきあつ【アイスランド低気圧 Icelandic low】
太平洋のアリューシャン低気圧に対応する半永久的な低気圧。北米大陸やメキシコ湾で発生する低気圧は北米大陸東岸を北東に進み,発達して,アイスランド島を中心にした海域でその最終段階をおえる。かくてこの海域ではほとんど常に大きな低気圧があって,特有な天候が現れる。月平均の海面気圧分布図を描くと冬季は半径2000kmの大低気圧がみられる。夏季は中心が少し東にずれ,半径は小さくなり,カナダのバフィン島に別の低気圧の中心が現れ,二つに分裂している。
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