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アオギリ【あおぎり】

日本大百科全書(ニッポニカ)

アオギリ
あおぎり / 青桐
梧桐
[学] Firmiana simplex (L.) W.F.Wight
Firmiana platanifolia Schott. et Endl.

アオギリ科(APG分類:アオイ科)の落葉高木。高さ10~15メートルになり、小枝は太く、樹皮は滑らかで緑色である。葉がキリに似ていて、樹皮が鮮緑色なので青桐の名がある。葉は大きく、長い柄があって互生し、扁円(へんえん)形で長さ15~30センチメートル、掌状に浅く3~5裂し、上部の3裂片は大きく、縁(へり)に鋸歯(きょし)がない。葉の裏に軟細毛を密生する。6~7月ころ枝先に長さ30~50センチメートルの大きな円錐(えんすい)花序を出し、淡黄褐色の雄花と雌花が多数混生して開く。花弁がなく、萼(がく)は5深裂していて、裂片は線状披針(ひしん)形で反り返る。外面には淡黄褐色の星状毛が密生し、内面の基部が紅色になる。雄花には中央に花糸が筒状に合生した雄しべがあり、雌花には花糸と合生した柄の先に雌しべが1本あり、子房の基部に退化した葯(やく)がある。果実は放射状に開出した5個の分果になり、袋果(たいか)状で成熟前の9月には開裂して舟形となり、縁に球形でしわのある種子を数個つけ、10月に熟す。沖縄、台湾、中国大陸、インドシナに分布する。伊豆半島以南の海岸地方には、葉の裏にほとんど毛がないケナシアオギリとよぶものが野生化しているが、これを自生とみる説もある。陽樹で適湿地を好むが、乾燥地にも強く、潮水、潮風、大気汚染にも耐え、強い剪定(せんてい)にも耐える。街路樹、公園、学校の庭などに広く植えられている。繁殖は実生(みしょう)による。材は柔らかく建具や家具、パルプなどに用いられ、樹皮の繊維は水に強く、縄や布むしろなどに利用される。種子は炒(い)って食べられ、室町時代には菓子にしていた。

[小林義雄 2020年4月17日]

 なお、漢名の梧桐は、『万葉集』で大伴旅人(おおとものたびと)が「梧桐(ごとう)の日本琴(やまとこと)一面 対馬(つしま)の結石山(ゆひしやま)の孫枝(ひこえ)なり」と記したのが日本で最初の記録であるが、これには桐説もある。また「桐一葉落ちて天下の秋を知る」は、元来中国の梧桐をさす。

 中国では古くから食用、薬用にされ、6世紀の『斉民要術(せいみんようじゅつ)』には栽培法が述べられているほか、炒った種子は実に美味でヒシに似た味と記されている。

[湯浅浩史 2020年4月17日]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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