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アケビ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アケビ
Akebia quinata
アケビ科のつる性の落葉低木で,山野に普通に生える。葉は5小葉から成る掌状複葉で長い葉柄があり,小葉は長楕円形で先端はへこむ。4月頃,垂れ下がった総状花序をつけ,花には淡紫色が3枚あり花弁を欠く。雌雄異花で,雄花は小型で6本のおしべと退化しためしべがある。雌花は大きく短円柱形の3~6個の心皮がある。果実は楕円形で長さ 6cmぐらいの半月形の液果となり,縦に裂けて黒色種子を含んだ白色果肉が出る。果肉は甘くて食用になる。若芽を食用とし,またつるでなどのあけび細工をつくる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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栄養・生化学辞典

アケビ
 [Akebia quinata], [A. trifoliata].山谷に自生するキンポウゲ目アケビ科アケビ属のつる性落葉低木.果実は甘く,食用にする.また新芽も食用になる.

出典:朝倉書店
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食の医学館

アケビ

《栄養と働き&調理のポイント》


 アケビは山野に自生する半常緑樹の蔓性(つるせい)植物で、秋には果実が熟してぱっくりと縦に口を開けることから、「開け実」の意で名付けられました。熟した果実は甘く、アケビの仲間のムベが乾燥果実として平安時代の書物『延喜式(えんぎしき)』にも記載されています。
○栄養成分としての働き
 果実にはビタミンCのほか利尿効果のあるアケビンやカリウムなどが含まれており、アケビ酒は利尿のほか腎炎(じんえん)や膀胱炎(ぼうこうえん)に効果があるといわれています。
○漢方的な働き
 しかし、薬効成分が高いのは蔓性木部で、細切りし乾燥させたものを漢方で「木通(もくつう)」と呼び、生薬として用いられています。「木通」にはアケビアサポニン、カリウム塩が含まれ、これを煎(せん)じて飲むと利尿、消炎、腎炎、膀胱炎、むくみ、淋病(りんびょう)に効果があるといわれています。
○注意すべきこと
 中国で「木通」として用いられることもある「関木通」は、キダチウマノスズクサを原料とし、これには腎障害を引き起こすアリストロキア酸が含まれています。尿にたんぱくが検出されるほか、尿酸やリンが排出されるのが特徴的な症状です。日本で承認許可されているものは安心です。
 日本の市場には流通していませんが、個人輸入などで漢方薬を使っている方は注意が必要です。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

アケビ【akebi】
山野に普通な,大きな果実をつけるアケビ科の落葉つる性木本(イラスト)。ゴザイカズラ,ネコンクソ,モクトンなど地方ごとに多くの異名がある。 雌雄同株。葉は互生し,掌状複葉。小葉は5枚で楕円形,全縁。春たれさがった総状花序に淡紫色の花をつける。雌花は雄花に比べて一段と大きい。花被は3枚,雄花では6本の肉質のおしべと6本の退化しためしべがある。雌花では退化したおしべと6~9本のめしべがある。果実は大きく成熟し,裂開する。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

アケビ
あけび / 通草・木通
[学]Akebia quinata (Houtt.) Decne.
アケビ科(APG分類:アケビ科)の落葉藤本(とうほん)。葉は互生し掌状複葉、小葉は5枚。春、総状花序に淡紫色の花をつける。花序の先のほうには雄花、基部には雌花がつく。花被(かひ)は3枚。雄花には6本の肉質の雄しべと、退化した心皮があり、雌花には6~9枚の心皮があり、雄しべは退化して小さくなっている。心皮は熟すと大きな液果になる。液果は楕円(だえん)形ないし長楕円形で長さ6~8センチメートル、果柄の先に1個ないし数個つき淡紫色で、晩秋に熟すると肉質で厚い果壁は縦に裂ける。アケビの名は「実が開(あ)く」ということからきている。液果の中には黒い種子がたくさんある。種子を取り囲んでいる半透明の果肉は甘くて食用となる。本州、四国、九州の山野に普通にみられ、朝鮮、中国にも生育する。
 アケビにはネコンクソ、ゴザイカズラその他、地方ごとに多くの異名がある。アケビ属には数種があり、日本、朝鮮、中国、台湾に分布する。日本にはアケビ以外に、花が紫色で小葉は3枚のミツバアケビ、小葉は5枚で花がミツバアケビに似るゴヨウアケビA. pentaphylla Makinoが生育する。ミツバアケビの枝は細工物の材料となる。[寺林 進]

薬用

漢方では本種とミツバアケビのつるになる茎を木通(もくつう)、通草(つうそう)と称して利尿、鎮痛、通経剤として関節痛、浮腫(ふしゅ)、膀胱(ぼうこう)結石、月経不順の治療に用いる。春に伸びたつるの先を30センチメートルほどとって山菜として用いるとたいへん美味であり、また、体にもよい。中国では木通はキダチウマノスズクサAristolochia manshuriensis Kom.(Hocquartia manshuriensis Nakai)(APG分類:ウマノスズクサ科)、クレマチス・アルマンディClematis armandii Franch.(APG分類:キンポウゲ科)、ミツバアケビをさすことが多く、通草はカミヤツデTetrapanax papyrifer Koch(APG分類:ウコギ科)の茎の髄をさすが、いずれも効用は同じである。[長沢元夫]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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