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アデノイド

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アデノイド
adenoids
咽頭扁桃肥大症のこと。咽頭扁桃自体もアデノイドというが,一般にこの咽頭扁桃が増殖し肥大した状態をいう。口蓋扁桃肥大と合併することが多い。5~10歳ぐらいに最も多くみられる。鼻咽腔が狭くなって呼吸ができなくなり,鼻づまりのために,口をぽかんと開けてぼんやりした表情 (アデノイド顔貌) を呈することがある。鼻炎副鼻腔炎中耳炎などを併発しやすい。薬物療法で効果のないときは,咽頭扁桃切除術を行う。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

アデノイド(adenoids)
咽頭扁桃(いんとうへんとう)が病的に肥大した状態。子供に多く、鼻詰まり・口呼吸いびき難聴・注意力低下などが現れる。腺様増殖症咽頭扁桃肥大症

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

アデノイド【adenoid】
ギリシア語のadēn‐(),‐eidos(のような)に由来する語で,一般に鼻とのどの移行部に当たる上咽頭あるいは鼻咽腔にあるリンパ組織咽頭扁桃を指していうが,咽頭扁桃がたび重なる炎症あるいは体質的素因により,はれて大きくなる腺様増殖adenoids(またはadenoid vegetation)を指していうこともある(図)。アデノイドは,扁桃としては口蓋扁桃に次いで大きく,生後増殖を続け,4~5歳で最も大きく,その後徐々に小さくなり,思春期で痕跡状態となってしまう。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

アデノイド【adenoid】
扁桃の増殖性肥大症。子供に多い。鼻づまりを起こし、口を半開きにするほか、睡眠障害・注意力散漫・記憶力減退・難聴などを起こす。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

アデノイド
あでのいど
adenoid
咽頭扁桃(いんとうへんとう)の同意語。語源はギリシア語で「腺(せん)様の」という意で、咽頭扁桃の外観が腺様であることに由来する。咽頭扁桃が病的に肥大した状態をアデノイド増殖症、咽頭扁桃肥大症、あるいは腺様増殖症というが、いずれも同じものであり、このような状態をアデノイドと略称することも多い。咽頭の周囲には、リンパ組織の集団である扁桃やリンパ瀘胞(ろほう)が数多くあるが、咽頭扁桃もその一つで、咽頭の上方、鼻の後方に存在する。
 アデノイドは3~4歳ごろから肥大し、6~7歳ごろには最大となるが、その後はしだいに小さくなり、思春期以後ではほとんど痕跡(こんせき)程度になる。口蓋(こうがい)扁桃肥大とともにみられることが多い。病的に肥大すると、鼻が詰まって口で呼吸するようになり、いびきをかいたり睡眠不足になるほか、発育も悪くなり、注意力が散漫になることが多く、歯列も不正となるなど、一見特異な顔つきにみえることもある。このような顔つきをアデノイド顔貌(がんぼう)という。咽頭扁桃の近くには、中耳(ちゅうじ)と咽頭を連結する耳管が開口しており、アデノイドが耳管を圧迫すると耳管狭窄(きょうさく)を併発し、耳の聞こえが悪くなることも多い。またアデノイドは細菌感染をおこしやすく、その細菌が耳管から中耳に侵入して中耳炎をおこすことも多い。その他の合併症としては、慢性鼻炎、副鼻腔(ふくびくう)炎、歯ぎしり、夜尿症、鳩胸(はとむね)などがある。
 治療は手術的に切除するアデノイド切除術がもっともよい。病原菌のために急性炎症をおこしているときには抗生物質が効果を示すが、その他の場合には薬物治療の効果はまったくない。肥大が軽度であれば、医師の監視下で合併症などに注意しながら経過をみていると、年齢とともにしだいに縮小し、手術を行わなくても治癒することもある。[河村正三]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

アデノイド
〘名〙 (adenoid growths adenoide vegetation =腺様増殖症の略称) 鼻の奥にある咽頭扁桃の肥大した状態をいう。鼻づまり、言語不明瞭、難聴などの症状を示す。小児、特に学童に多く、成人にはまれ。

出典:精選版 日本国語大辞典
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EBM 正しい治療がわかる本

アデノイド
どんな病気でしょうか?

●おもな症状と経過
 扁桃(へんとう)は鼻や口から侵入する病原体と戦うなど、免疫にかかわっているリンパ組織です。一般に「扁桃腺(へんとうせん)」と呼ばれますが、扁桃には腺組織がないので正しい呼び方ではありません。
 扁桃にはいくつかの組織がありますが、増殖肥大が問題となるのは、咽頭扁桃(いんとうへんとう)と口蓋扁桃(こうがいへんとう)の二つです。咽頭扁桃は鼻腔(びくう)の、口蓋垂(こうがいすい)(のどちんこ)の上のほうにあります。この部分の組織が増殖肥大する病気をアデノイドといいます。
 口蓋扁桃は口蓋垂の両側にあるもので、一般に扁桃といえばこの部分を指します。口蓋扁桃が異常に増殖肥大したものを扁桃肥大と呼んでいます。
 単に肥大しているだけであれば、治療の必要はありませんが、次のような症状がみられたら、なんらかの治療が必要になります。
 ①咽頭扁桃が肥大するために鼻での呼吸が困難になり、頭が重くなったり、注意力が散漫になったりする。
 ②常時、口呼吸をするために、下唇が下に垂(た)れてきたり、顔面の筋肉がゆるみ、生気のない表情になる。
 ③滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん)慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)が長引き、治りにくくなる。
 ④上気道の閉塞(へいそく)によって、睡眠時に無呼吸や激しいいびきが現れる。
 ⑤食べ物の飲み込みが難しくなったり、食欲不振となる。
 ⑥扁桃に炎症をおこしやすく、発熱や咽頭痛をくり返す。
 などです。

●病気の原因や症状がおこってくるしくみ
 咽頭扁桃も口蓋扁桃も、生後まもなく発達し、咽頭扁桃は3~5歳ごろ、口蓋扁桃は5~7歳ごろにもっとも大きくなり、その後免疫機能が発達すると小さくなっていきます。肥大自体は生理的に自然な現象で、病的な状態ではありません。さまざまな症状がでた場合にだけ治療の対象となります。


よく行われている治療とケアをEBMでチェック

[治療とケア]問題となる症状がなければ、とくに治療の必要はない
[評価]☆☆
[評価のポイント] 放置しても経過はよく、症状や合併症さえなければ治療の必要はありません。

■手術を検討する
[治療とケア]上気道の閉塞(へいそく)を認める場合
[評価]☆☆☆
[評価のポイント] 手術が必要となります。無呼吸症状に効果を認めることが臨床研究によって確認されています。(1)

[治療とケア]滲出性中耳炎が長引いたり、くり返したりする場合
[評価]☆☆
[評価のポイント] 手術を行うと、その後、滲出性中耳炎になる頻度(ひんど)が手術をしない場合よりも少なくなることは信頼性の高い臨床研究によって確認されていますが、その差はほんのわずかです。手術による合併症などを考えると、滲出性中耳炎をくり返すだけでは手術を行う必要は必ずしもないと考えられます。(2)(3)

[治療とケア]発熱や咽頭炎をくり返す場合
[評価]☆☆
[評価のポイント] 手術を行うと、その後、咽頭炎になる頻度が減少することは信頼性の高い臨床研究によって確認されていますが、その差はほんのわずかです。手術による合併症等を考えると、咽頭炎をくり返すだけでは手術を行う必要は必ずしもないと考えられます。(4)~(6)

薬物療法はありません


総合的に見て現在もっとも確かな治療法
肥大自体は自然な生理的現象
 扁桃は鼻や口から侵入する病原体と戦うなど免疫にかかわっているリンパ組織です。鼻腔の奥、口蓋垂の上のほうにある咽頭扁桃が増殖肥大するのがアデノイドです。一般に扁桃と呼ばれる口蓋垂の両側にある口蓋扁桃が異常に増殖肥大したものが扁桃肥大です。
 咽頭扁桃も口蓋扁桃も、生後まもなく発達し、咽頭扁桃は3~5歳ごろ、口蓋扁桃は5~7歳ごろにもっとも大きくなり、その後小さくなっていくため、肥大自体は生理的に自然な現象で、病的な状態ではありません。さまざまな症状がでた場合にだけ治療の対象となります。

つらい症状がある場合のみ手術を検討
 発熱や咽頭炎をくり返す、滲出性中耳炎が長引いたりくり返したりする、呼吸するのが難しいなどといった、患者さん自身に苦痛を与える合併症が明らかな場合にのみ、手術が考慮されます。
 確かに、咽頭炎の頻度や滲出性中耳炎の頻度が手術によって減少することは非常に信頼性の高い臨床研究によって明らかになっていますが、手術を行わない場合との差はほんのわずかです。
 そのため、手術によっておこりうる合併症などを考慮すると、必ずしも手術を行う必要はないと考えられます。患者さんにとって症状がどれだけ苦痛であるかを見極め、慎重に検討するべきでしょう。
 明らかな感染症がある場合を除けば、アデノイド/扁桃肥大自体に対して抗菌薬を頻繁に用いるのは勧められません。

(1)Randerath WJ, Verbraecken J, Andreas S, et al. Non-CPAP therapies in obstructive sleep apnoea. Eur Respir J. 2011; 37:1000.
(2)Paradise JL, Bluestone CD, Colborn DK, et al. Adenoidectomy and adenotonsillectomy for recurrent acute otitis media: parallel randomized clinical trials in children not previously treated with tympanostomy tubes. JAMA. 1999;282:945-953.
(3)Rosenfeld RM. Surgical prevention of otitis media. Vaccine. 2001;19:S134-S139.
(4)Hsu AP, Tan KL, Tan YB, et al. Benefits and efficacy of tonsillectomy for recurrent tonsillitis in adults. Acta Otolaryngol. 2007; 127:62.
(5)Senska G, Ellermann S, Ernst S, et al. Recurrent tonsillitis in adults: quality of life after tonsillectomy. Dtsch Arztebl Int. 2010; 107:622.
(6)Ovesen T, Kamarauskas A, Hlidarsdottir T, et al. Good long-term results after tonsillectomy in ear, nose and throat practices. Dan Med J. 2013; 60:A4637.
目の病気

出典:法研「EBM 正しい治療がわかる本」
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