●アニリンブラック
世界大百科事典 第2版
アニリンブラック【aniline black】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
アニリンブラック
あにりんぶらっく
aniline black
酸化染料の一つであるが、染料というよりむしろ染色法と考えられる。1860年ライトフットJohn Lightfoot(1832―1872)により発見された(1863年説もある)。安価で堅牢(けんろう)な黒が得られるので、現在も広く利用されている。木綿用プロセスとしてもっとも重要なものは「熟成黒aged black」法である。すなわち、アニリン、塩酸アニリン、塩素酸ナトリウム、塩化アンモニウム、酢酸アルミニウム、銅またはバナジウム塩からなる染浴に繊維を浸したのち、繊維を乾燥させ、60~70℃で短時間熟成させる。必要であればさらにクロム酸処理をする。構造は複素環であるアジン骨格を有する複雑な高分子である。アニリンを銅触媒とクロム酸で酸化したのち、硫酸で脱クロムと脱銅を行って得た色素は、堅牢な黒色有機顔料であるピグメント顔料(C. I. Pigment Black 1)として、印刷インキ、塗料、プラスチック着色剤、化粧品などに広く利用されている。
[飛田満彦]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
精選版 日本国語大辞典
アニリン‐ブラック
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
アニリンブラック
アニリンブラック
aniline black
C.I.Pigment Black 1,C.I.50440ともいう.アニリンの酸化縮合によって得られる黒色の顔料,染料.日光,洗濯,漂白堅ろう度などにすぐれ,安価で実用価値がある.酸化法によって分子構造は異なるが,基本的には11分子のアニリンが縮合した図のようなフェナジン誘導体と考えられている.水に不溶,エタノール,セロソルブに可溶.印刷インキ,塗料の着色顔料などに用いられる.[CAS 13007-86-8]
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「アニリンブラック」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●アニリンブラックの関連情報