●アルクイン
デジタル大辞泉
アルクイン(Alcuin)
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世界大百科事典 第2版
アルクイン【Alcuin】
カール大帝の宮廷に仕えた神学者,著述家。別名フラックス・アルビヌスFlaccus Albinus。ノーサンブリアの生れで,ヨークに学び,修道士となる。782年以後カール大帝の宮廷に入り,事実上その指導者となった。彼の活動は主としてその書簡類からうかがわれるが,大別して3方面にわたる。第1は宮廷とトゥールにおける学校の創設で,7自由科をその教育の基礎におき,カロリング・ルネサンスへの道を開いた。第2は教義上の問題であり,キリスト養子説や〈フィリオクエFilioque問題〉に関して彼は適切な解決を見いだしたが,画像崇敬については,東方教会寄りの態度を示したといわれる。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
アルクイン
あるくいん
Alcuin
(735ころ―804)
ヨーロッパ中世初期の人文学者。イギリスのヨーク出身。ラテン名はアルクイヌスFlaccus Albinus Alcuinus。781年カール大帝に招かれて大陸に渡り、宮廷学校や文庫の経営にあたり、フランク王国の教育・宗教行政の整備に尽力した。当時イギリスの僧院に保存されていた古典文化の遺産を大陸に伝え、もって古典文化、宗教、政治の緊密かつ緊張ある結合を特色とするヨーロッパ中世文化の基磯を定めるのに貢献した。著作は、文法、修辞学、弁証法、幾何学、算術、天文学、音楽など古代学芸における自由七科の手引書をはじめ、『魂の本質について』の哲学的著作、三位(さんみ)一体についての神学的著作など多岐にわたり、いずれも平明で高い学問的水準を示している。数多い書簡も当時の歴史的状況を知る資料として貴重である。
[坂口ふみ 2015年1月20日]
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