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アルビジョア十字軍【アルビジョアじゅうじぐん】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

アルビジョア十字軍
アルビジョアじゅうじぐん
Croisade des Albigeois
アルビジョア派 (→アルビ派 ) の異端討伐のため,ローマ教皇インノケンチウス3世の呼びかけで組織された十字軍 (1209~29) 。アルビジョア派マニ教の流れをくみ,善 (神,霊魂) ,悪 (悪魔,肉体) の2原理,2創造主の存在を信じ,不殺生,菜食主義,私有財産と結婚の否定など厳格な戒律をもった。この教えはツールーズレイモン6世,彼の封臣フォア伯,ベジェ副伯ら南フランス諸侯の熱烈な支持を受けて 12~13世紀にツールーズ,アルビ地方に広まった。これに対しインノケンチウス3世は教皇特使ピエール・ド・カステルノーの暗殺 (08) をきっかけとして,北フランス諸侯に十字軍を要請した。シモン・ド・モンフォール (→モンフォール家 ) に率いられた十字軍は,ベジェ,ナルボンヌ,カルカソンヌなど南フランス諸都市を攻略し,1213年のミュレの戦い (アルビジョア派側のアラゴン王戦死) ,ツールーズの戦い (モンフォール戦死) でアルビジョア派を破った。戦いはパリの和約 (29) で終結,結果として国王ルイ8世による南フランスの王領化が促進された。アルビジョア派はモンセギュール城の破壊 (44) 後,急速に消滅した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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世界大百科事典 第2版

アルビジョアじゅうじぐん【アルビジョア十字軍】
13世紀初頭アルビジョアAlbigeois派異端討伐のため,フランス南部トゥールーズ伯領に進攻した十字軍。戦乱はオック語による南仏文芸を壊滅させたが,カペー王権の南部進出をもたらし,フランス統一の大きな里程標となった。この異端への対抗伝道からドミニコ会が誕生し,また渦中で新設された異端審問は長くヨーロッパに猛威を振るった。アルビジョア派とは,カタリ派異端の地方的呼称である。1145年聖ベルナールの巡回以来,ドミニコ会の登場まで教会の異端対策はシトー会が指導した。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

アルビジョア十字軍
あるびじょあじゅうじぐん
Croisade albigeoise

南フランスのアルビジョア派(カタリ派)に対して、ローマ教皇の指令に基づいて、シモン・ド・モンフォールを中心に北フランス諸侯によって組織された十字軍(1209~1229)。ローヌ川以西の南フランスに多かったカタリ派が「アルビジョア派」とよばれるようになるのは十字軍の過程においてであって、アルビAlbi地方にとくに異端が多かったわけではない。むしろ異端の活動はベジエやカルカソンヌ、そしてトゥールーズなどで活発であった。1198年、インノケンティウス3世は教皇位につくとともに異端対策を強化し、シトー派の伝道団を派遣したが、南フランスのカタリ派がトゥールーズ伯レイモン6世をはじめ大小貴族や都市の有力市民層に支持されたため、ほとんど実効はあがらなかった。そのうえ、1208年1月、教皇特使ピエール・ド・カステルノーがアルルに近いローヌ河畔でレイモン6世の家臣に殺害されるという事件が起こり、これがきっかけとなって、翌1209年6月、教皇により、いわゆるアルビジョア十字軍が宣布された。以来約20年間、シモンのもとに編成され、そしてトゥールーズに再起したアルビジョア派の襲撃によってシモンが死去(1217)したのち、その子アモーリに率いられた十字軍は、南フランスの各地に転戦し、おびただしい血が流された。

 1226年、フィリップ2世以来機の熟するのを待っていたフランス王ルイ8世Louis Ⅷ(在位1223~1226)がアモーリの権利を引き継ぎ、カペー家が十字軍の主体となってから、戦局はにわかに好転した。1229年、ルイ9世がトゥールーズ伯レイモン7世と結んだパリ和約により、南フランスの王領化の基礎が置かれた。しかし、十字軍の終結後もカタリ派の活動はやまず、1233年、教皇グレゴリウス9世Gregorius Ⅸ(在位1227~1241)はトゥールーズ大学開設を公許するとともに、教皇直属の、異端審問の特設法廷を設置し、その任をドミニコ修道会に託した。

[井上泰男]

『渡邊昌美著『異端者の群れ』(1969・新人物往来社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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