●イオン対【いおんつい】
世界大百科事典 第2版
いおんつい【イオン対】
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
日本大百科全書(ニッポニカ)
イオン対
いおんつい
ion pair
溶液中で陰陽両イオンがとくに接近してつくる会合体。また、その現象あるいは状態をイオン会合ion associationという。溶媒の誘電率が低く、イオン半径が小さく、イオン価の大きいイオンのときにイオン対が生成しやすい。イオン濃度が高くなるほど、生成しやすくなるのも当然のことである。イオン対がさらに他のイオンと会合したり、イオン対どうしが会合したりすることもある。見かけ上、イオンへの電離度が減少するため、導電率や粘性が完全に電離した場合とは異なる値を示す。気相中では、分子の電離によって生じた陰陽両イオンの1組をイオン対ということがある。
[岩本振武]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
化学辞典 第2版
イオン対
イオンツイ
ion pair
【Ⅰ】溶液中で,陽イオンと陰イオンとが静電力によって集まり,対をつくること.陽イオンまたは陰イオンのどちらか,または両方が,錯イオンである場合もイオン対をつくるという.たとえば,{[Co(NH3)6]・SO4}+.溶液中の反応中間体として重要な意味をもつ化学種で,とくに遷移金属錯体のアネーション反応では,まず錯体と陰イオンがイオン対をつくり,それから金属原子に配位している水分子が解離し,イオン対をつくっていた陰イオンが金属原子に配位するとされている.【Ⅱ】溶液中で電子供与体と電子受容体が出合い錯体をつくり,電子移動が起こり,陽イオンと陰イオンが結合した状態ができるが,これをイオン対という.溶媒のかごのなかに形成されるとき,ジェミネートイオン対(geminate ion pair)という.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「イオン対」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●イオン対の関連情報