●イオン
イオン
Iōn
ギリシア神話に登場する
イオニア人の呼び名の
起源となった英雄。
ギリシア民
族の始祖ヘレンの息子の一人
クストスが,
テッサリアから
アテネに亡命し,そこで
エレクテウス王の娘
クレウサと結婚してもうけた息子とされるが,別伝ではクレウサが結婚前に
アポロンの種によって生んだ子で,クレウサに捨て子にされたところを
ヘルメスによって
デルフォイに運ばれ,
アポロン神殿の神官たちに育てられ,参詣に来たクストスが,神託の命令に従い
養子にしたともいわれる。エレクテウスの
死後,その跡を継いでアテネ王となり,住民を4つの
部族に分けるなどして,国制を整備したとされる。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
Iōn
ギリシアの
エウリピデスの悲劇。アポロン神とアテネ王女クレウサの不義の子として生れ,捨てられたイオンは,ヘルメス神に拾われてデルフォイのアポロンの
神殿に仕えている。クレウサはクストスと結婚したが,子のない夫婦はデルフォイにおもむいて神託を伺う。クストスは神託を誤解してイオンが自分の結婚前の浮気の落し子であると信じて喜ぶが,クレウサはこれをねたんでイオンを殺そうとする。しかし見破られて殺されかけ神殿に避難すると,
巫女が証拠の品を持って現れ,劇的な母子再会となる。このような筋書はのちに
新喜劇の好んで用いる典型的な型となった。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
ion
中性の
原子,
原子団または
分子が1個または数個の
電子を失うか,逆に
過剰の電子を得て
電荷をもつ状態になったもの。電子を失ったものは
正電荷を帯びて
陽イオン (
カチオン) となり,電子を得たものは
負電荷を帯びて
陰イオン (
アニオン) となる。その
電気量は電気素量の整数倍で,その
倍数をイオンの電荷数という。電荷数は周期表における
元素の族と関係している。たとえば
アルカリ金属は電荷数+1のイオンに,
ハロゲンは電荷数-1のイオンとなる。イオンは電解質溶液中や
イオン結晶の中に存在する。
気体の場合は,
放電や
X線,電子,
陽子などの放射線照射によって生成する。イオンは
元素記号の右肩に
イオン価と電荷の
符号をつけ,Na
+ ,Fe
3+ ,または Cl
- のように表現する。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
スーパー・
チェーンストア大手のイオンを
傘下にもつ
持株会社。1758年
創業の篠原屋が
前身。1887年屋号を岡田屋に
改称,1926年株式会社に改組し岡田屋呉服店として
設立,1959年岡田屋と改称。1969年業務提携先と共同出資した仕入れ
子会社ジャスコを設立。1970年ジャスコほか 3社が合併し,
社名をジャスコに変更した。1972年以降中小
スーパーマーケットを次々に合併してチェーン拡大をはかる。1980年,
コンビニエンスストアの
ミニストップを設立。1989年グループの名称をイオングループとし,2001年に社名をイオンと改める。2000年には経営破綻した
ヤオハンジャパン(社名をヤオハンに,2002マックスバリュ東海に変更)を,2003年には同じく経営破綻した
マイカルを傘下に置いた。2005年フランスの
カルフールが日本で展開したカルフール・ジャパンを子会社化し,社名をイオンマルシェに変更した。2008年,全事業を
イオンリテールに承継させ
純粋持株会社に移行。2013年
ダイエー,ピーコックストア(→
大丸)を,2015年
マルエツを子会社とした。
出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
電荷を持つ原子、または分子。電気的に
中性の状態の原子や分子が、1個または複数の電子を失うか取り込んで生じる。電子を失って正電荷を帯びたものを陽イオンまたはカチオン、取り込んで負電荷を帯びたものを陰イオンまたはアニオン、電子の授受を経てイオンになることをイオン化または電離という。イオンの持つ電気量は、電子、陽子などの荷電素
粒子1個の持つ電荷の整数倍に等しく、この倍数あるいはその絶対値をイオン価、または価数と呼ぶ。イオンを表すには、対応する中性原子や分子の化学式の右肩にイオン価(1の場合省略)と正負の符号を付け、Li^+、F^-などと書く。陽イオンの形成に必要なエネルギーをイオン化エネルギー、陰イオンの形成の際に放出されるエネルギーを電子親和力という。電子殻が閉殻になっていない原子では、電子の過不足分を補って閉殻の状態となって安定化する傾向がある。そのため、最外殻に1個の電子を持つ周期表の1族のアルカリ金属は1価、17族のハロゲンはマイナス1価になりやすい。例えば、食塩の結晶はナトリウムイオンと塩化物イオンからできている。
溶媒に塩化ナトリウムなどの電解質を溶かすと、電離により正と負のイオンを生じて電気伝導性を持つようになり、生じたイオンは溶媒分子と相互作用をして溶媒和イオンと呼ばれる状態になることが多い。
(市村禎二郎 東京工業大学教授 / 2007年)
出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
イオン(〈ドイツ〉Ion)
《
ギリシャ語の移動する
意から》電気を帯びた
原子または原子団。正の電気を帯びたものを
陽イオン、負の電気を帯びたものを
陰イオンという。
出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
電荷をもった(電子を受け取ったり放出したりした)原子や原子団.Na+, OH−, CH3COO−など.
出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
イオンリテール株式会社が展開するスーパーマーケットのチェーン。全国各地に出店している。前身の岡田屋は1758年創業。1970年よりスーパーマーケット「ジャスコ」として展開していたが、2011年より現名称に変更。
出典:小学館
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
正式社名「イオン株式会社」。英文社名「AEON CO., LTD.」。
小売業。宝暦8年(1758)前身の「篠原屋」創業。大正15年(1926)「株式会社岡田屋呉服店」設立。昭和45年(1970)「ジャスコ株式会社」に改称。平成13年(2001)現在の社名に変更。
本社は千葉市美浜区中瀬。M&Aで成長した総合スーパーの最大手。
銀行業にも
進出。東京証券取引所第1部上場。証券コード8267。
出典:講談社
(C)Kodansha 2011.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン【ion】
中性の原子または原子団が1個または数個の電子を失うか,あるいは1個または数個の電子を得て生ずる粒子をいう。たとえばナトリウムイオンNa+,塩化物イオンCl-,塩素酸イオンClO3-などがそれである。ある種の物質(固体電解質)を加熱して融解し,その電気抵抗を測定してみると,その融解液の電気抵抗は小さく,すなわち電気を通す性質をもっていることがわかる。さらにこの種の物質について,その構成要素を調べてみると,その最小単位の大きさは,原子や分子の大きさと同程度(1オングストロームÅ=10-10m程度)であるが,電気的に中性の原子や分子とは異なり,正または負の電荷をもっていることがわかる。
出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.
イオン
〘名〙 (Ion・ion) 正または負に荷電した原子や原子団。電気的に中性の原子や分子が電子を失い、または得ることによってその電子の数だけの電気量(イオン価)を帯び、それぞれ陽イオン、陰イオンとなる。電解質を溶媒にとかすと陰陽両イオンに、気体分子を放射線やX線等で照射すると陽イオンとなる。気体放電などによっても陽イオンが発生する。〔物理学術語和英仏独対訳字書(1888)〕
出典:精選版 日本国語大辞典
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
イオン
イオン
ion
荷電した原子または原子団をイオンといい,正または負に帯電したものをそれぞれ陽イオン(あるいはカチオン),陰イオン(あるいはアニオン)という.M. Faraday(ファラデー)が電解質溶液を用いて電解を行ったとき,溶液中に電場の存在下で電極に向かって移動するものがあることを見いだし,ギリシア語の“行く”という意味にちなんでイオンと名づけた.また,電解質溶液の場合に限らず,気体分子が電子を失ったり,得たりして,正負の電気を帯びた場合も,それをイオンという.中性の原子あるいは分子がイオンになることをイオン化または電離という.イオンのもつ電気量は電気素量の整数倍に等しく,この倍数がイオン価である.イオンを表示するには,一価の陽イオンならば原子記号の肩に+,一価の陰イオンならば-をつけ,二価以上のときには Cu2+,Fe3+,PO43-などのように表す.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
東京大学名誉教授工博 奥居 徳昌(編集)
東京工業大学名誉教授理博 海津 洋行(編集)
東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)
Copyright © MORIKITA PUBLISHING Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。
「イオン」の用語解説はコトバンクが提供しています。
●イオンの関連情報
他サービスで検索