●イスラム国【いすらむこく】
知恵蔵
イスラム国
ISISの母体は、イラク戦争(03年)後に結成されたアルカイダ系過激派組織とみられる。反欧米・ジハードを掲げ、11年に拡大したシリア内戦に加わると、シリアや周辺国から流れてきたスンニ派武装グループを吸収し、急速に勢力を拡大した。同時にイラク・シリアにまたがるイスラム国家樹立を前面に出すようになり、アルカイダとも対立、袂(たもと)を別った。14年に入ると、シリア北東部をほぼ制圧し、イラク北部に侵攻。6月上旬にはイラク第2の都市モスルを陥落し、イスラム国家樹立の拠点とした。なお、ISISはより広範な地中海東部沿岸地域(レバント)での国家樹立を目指していることから、ISIL(イラク・レバントのイスラム国)とも呼ばれる。
実動部隊は1万人余りと見られるが、短期間でシリア~イラクの広範な地域を支配下に入れた背景には、スンニ派住民のマリキ政権(シーア派)に対する強い不満がある。フセイン政権崩壊後、シーア派主導で国家再建が進められ、スンニ派は蚊帳の外に置かれた。イラクの人口構成はシーア派6割、スンニ派2割、クルド人2割だが、北西部はスンニ派が多数を占めている。反シーア派を鮮明にしているISIS(ISIL)は、残虐なテロ集団という報道がある一方、支配下に置かれたイラク北西部のスンニ派住民や、カリフ制再興を望んでいた国内外のイスラム教徒からは、一定の支持を得ているとも伝えられる。
(大迫秀樹 フリー編集者 / 2014年)
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朝日新聞掲載「キーワード」
イスラム国
(2014-08-10 朝日新聞 朝刊 2総合)
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イスラム‐こく【イスラム国】


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イスラム国
イスラムこく
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