●イソニトリル
世界大百科事典 第2版
イソニトリル【isonitrile】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
イソニトリル
いそにとりる
isonitrile
イソシアノ基-NCをもつ化合物RNCのことをいう。正しくはイソシアノ化物(イソシアン化物)というが、古くはカルビルアミンcarbylamineといわれていた。ニトリルRCNの異性体である。代表的合成法として、ヨウ化アルキルとシアン化銀の反応、あるいは、第一級アミンとクロロホルム、塩基を加熱するカルビルアミン反応がある。一般的に不快なにおいをもち有毒である。酸によりアミンに加水分解される。有機合成反応の原料として使われる。
[谷利陸平]
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化学辞典 第2版
イソニトリル
イソニトリル
isonitrile
isocyanide.カルビルアミンともいう.イソシアノ基-NCが炭化水素基Rに結合した化合物で,一般式RNCで表され,ニトリルRCNの異性体である.イソシアニドとして命名される.ハロゲン化アルキルにシアン化銀を作用させた付加物をシアン化カリウムで分解すると得られる.
RNC + K[Ag(CN)2]
また,第一級アミンにクロロホルムとアルコール性カリを加えて加熱すると得られる.この反応はカルビルアミン反応といい,第一級アミンやクロロホルムの検出に用いられる.
RNH2 + CHCl3 + 3KOH → RNC + 3KCl + 3H2O
構造は
R-N+≡C-:(またはR-NC)
として示される.一般に,不快臭の無色の液体.沸点は相当するニトリルより低い.有毒.弱アルカリ性で,アルカリに対しては安定であるが,酸によって加水分解してギ酸と第一級アミンとを生じる.還元によりメチル基をもつ第二級アミンになる.加熱によって異性化してニトリルになる.室温で徐々に重合する.
出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
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イソニトリル
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