@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

イトスギ

日本大百科全書(ニッポニカ)

イトスギ
いとすぎ / 糸杉
[学] Cupressus sempervirens L.

ヒノキ科(分子系統に基づく分類:ヒノキ科)の常緑針葉高木で、大きいものは高さ45メートル、直径1メートルに達する。別名イタリアサイプレス、セイヨウヒノキ、ホソイトスギ。樹冠は狭円錐(きょうえんすい)形または狭円柱形をなす。樹皮は灰褐色で薄く、繊維状にはげる。葉は鱗片(りんぺん)状で暗緑色をなし、十字形に対生する。雌雄同株。球果は本属中最大で、卵形または卵状球形で直径2~4センチメートル、果鱗(かりん)の中央部に刺状突起がある。鱗片は8~14片あり、そのおのおのに種子が7~20個ある。種子は褐色で狭い翼がある。温暖で適潤な石灰質土壌をもっとも好むが、普通の土壌ならよく生育する。材は辺材と心材ほぼ同色で黄色または淡褐色で、やや堅硬緻密(ちみつ)で美しく、耐朽性は強く、工作容易で芳香があり、建築、器具、楽器、船舶などに利用され、庭園樹、公園樹、並木として温暖な世界各地に植栽される。南ヨーロッパ、地中海沿岸一帯、南西アジアに広く天然分布する。日本には明治中期に渡来し暖地に試植されている。

[林 弥栄 2018年6月19日]

文化史

キプロス(サイプラスCyprus)島の名は、崇拝するその木イトスギの名からつけられた。またゾロアスター教徒は、イトスギの木の姿が火を思わせることから、これを聖木とした。古代のフェニキアは、船材である変種のレバノンスギによって国を繁栄させたが、逆にその乱伐によって衰退した。また、紀元前10世紀、ソロモン王の神殿建築にもイトスギは使われたという。現在レバノンスギは、レバノンの国花となっている。

[湯浅浩史 2018年6月19日]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

イトスギ」の用語解説はコトバンクが提供しています。

イトスギの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation