●イボ
日本大百科全書(ニッポニカ)
イボ
いぼ
Ibo
アフリカ、ナイジェリア南東部ニジェール川とクロス川の間のイボランドに住む先住民集団。人口は800万人以上。言語はクワ語系のイボ(イグボ)語。生業はヤムイモ、キャッサバ、タロイモを中心とする定着農業であるが、現在では都市へも大量に進出している。基本的な社会単位は地縁化された父系出自集団、リネージ(原地語でウムンナという)であり、政治は中央集権化されておらず、村落共同体を超える大きな組織はない。また方言や文化の変異が大きく、集団の統一はあまりとれていない。かつては数多くのイボが奴隷としてアメリカに売られていった。キリスト教宣教師との接触後、子弟の教育に力を注ぎ、ブラック・アフリカでは識字率がもっとも高い。1967年にナイジェリアからの分離独立を図ってビアフラ共和国を設立したが、70年まで2年間続いたビアフラ戦争ではナイジェリア政府軍に惨敗し、約200万人が死亡したといわれる。
[木村秀雄]
出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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