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イースター島【イースターとう】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

イースター島
イースターとう
Easter Island
スペイン語ではパスクア島 Isla de Pascua。チリ中部西岸から約 3600km西の太平洋上にあるチリ領の島。ポリネシア諸島の東を画する。面積約 160km2のほぼ三角形をなした火山島で,島内には火山や寄生火口が点在,浸食の進んだ溶岩原が広がる。最高点は約 600m。亜熱帯気候で年平均気温 22℃,年較差は小さく約4℃。年降水量は約 1000mmであるが,年による変化が著しい。 1722年オランダ人 J.ロッヘフェーンがヨーロッパ人として初めて島に上陸,その日がイースター (復活祭) であったことにちなんでパーサイラント Paaseiland (オランダ語で「イースターの卵の島」の意) と命名したため,イースター島の名で広く知られるようになったが,島民自身はこの島をラパヌイ Rapa Nui (「大きな島」の意) またはテピトオテヘヌア Te Pito o te Henua (「世界のへそ」の意) と呼ぶ。 1770年島を訪れたスペイン人によって約 3000人と報告された人口は,その後奴隷狩り,天然痘,部族間の抗争,移住などによりしだいに減少,19世紀後半には 100人あまりと最も少なくなった。 1870年タヒチ島からの入植者が牧羊を開始。 1888年チリ領。島内各地にモアイと呼ばれる巨大な石像があることで特によく知られ,最高 12mもあるこれら巨石像を,いつ,だれが,なんのために,どのようにしてアフという石積みの台座の上に立てたのか,また先住民であるポリネシア人はこのような絶海の孤島にいつ,どのようにしてやってきたのか,などの考古学的,人類学的な疑問点が多くの学者の関心を呼んだ。 20世紀に入って『コン・ティキ』号の漂流実験で知られるノルウェーの人類学者 T.ヘイエルダールなどが発掘,調査を行なった (→イースター島遺跡群 ) 。島民は南西部のハンガロアを中心に住み,牧羊のほか,サツマイモ,ジャガイモ,野菜などの栽培と漁業を行なうが,1967年サンチアゴとの間に定期航空路が開設され,観光が最大の産業となっている。 1935年ラパヌイ国立公園が設置され,1995年世界遺産の文化遺産に登録。人口 2095 (1989推計) 。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

イースター‐とう〔‐タウ〕【イースター島】
Easter Island》南太平洋の東部にある島。チリ領。1722年のイースターの日にオランダ人が発見。巨人石像モアイがあることで知られ、島の周縁部がラパヌイ国立公園に指定。パスクア島。ラパヌイ島

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監修:松村明
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大辞林 第三版

イースターとう【イースター島】
Easter 南太平洋にある孤島。チリ領。巨石像モアイの遺跡がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)

イースター島
いーすたーとう
Easter Island
南太平洋の東部にある島。パスクア島Isla de Pascuaまたラパヌイ島Isla de Rapa Nuiともよばれる。面積180平方キロメートル。南回帰線のわずか南の南緯27度08分、西経109度26分、チリの海岸から約3800キロメートル西方に位置する。先住民が残した多くのモアイとよばれる巨大な石像をはじめとする遺跡の島として有名である。1722年4月5日の復活祭(英語ではEaster、スペイン語ではPascua)の日に、オランダの軍人ロッヘフェーンJacob Roggeveen(1659―1729)により発見されたのにちなんで、イースター島あるいはパスクア島の名でよばれる。1888年チリ領となり、現在は同国の第5地域(バルパライソ)に属している。
 東太平洋海嶺(かいれい)が東へ西チリ海嶺を派出する地点に生じた火山島で、三角形の輪郭をした島は20余りの火山群で構成されているが、活火山はない。これらのうち三角形の各頂点に位置する三つの火山がもっとも大きい。すなわち、東の角のプアカチキ火山、北端にあり標高450メートルで島内最高峰のラノアロイ火山、および南西端にあり直径1キロメートルほどの火口をもつラノ・カウ火山である。プアカチキ火山西麓(せいろく)にあるラノララク火山の火口は先住民たちがモアイを製作した地であり、とくに多数のモアイが並んでいる。島の気候は温暖、亜湿潤な亜熱帯気候で、年平均気温は20℃、最暖月(2月)24℃、最寒月(8月)18℃と気温の年較差が小さい。2月から9月にかけてが雨期にあたる。
 1850年代以前は4000人前後の島民がいたが、天然痘の流行や奴隷として島外に連れ出されたため激減し、チリの領土となった1888年ごろにはわずか180人だったといわれる。現在では、約1600人の住民がおり、その4分の1がチリ本国からの白人である。島民の大部分は島の西岸にあるアンガ・ロアの町に住む。わずかばかりの畑には自給用のタロイモ、サツマイモ、キャッサバなどの作物がつくられ、ユーカリの茂みが点在する低い丘陵地の草原ではヒツジが放牧されている。1967年、イースター島経由のサンティアゴ―タヒチ島間の航空路が開設されて以来、多くの観光客が同島を訪れるようになった。1月から2月にかけてが観光の最盛期。遺跡などの保護のため島の3分の1の地域が国立公園(ラパヌイ国立公園)に指定されており、また島の出入りの際には厳重な植物検疫が実施されている。ラパヌイ国立公園は1995年に世界遺産の文化遺産として登録されている(世界文化遺産)。[松本栄次]

歴史

オランダ船アレノア号によって1722年に発見されて以後、多くの探検家たちがイースター島を訪れたが、初めて学術的な調査を行ったのはノルウェーの人類学者ヘイエルダールであった。彼はマルケサス諸島の巨石像と南アメリカの巨石文化を互いに関連するものと考え、インカ時代の舟を復原して(コン・ティキ号)、1947年にペルー海岸からツアモツ諸島に航海した。そして1955~56年にかけて、イースター島のモアイの立つアフとよばれる宗教遺跡の調査を行った。アフは切り石を前方に積み重ね海側を高くした30メートル×100メートルほどの台座上に、石像を1~15個ほど1列に並べたもので、イースター島ではこのようなアフが200以上確認されている。石像では高さ約10メートルのものもある。
 イースター島の文化は前期(400ころ~1100ころ)、中期(~1680ころ)、後期(~1800ころ)に三分されている。前期は移住期で、アフも構築されているが石像は小さなものであった。中期は石像がもっとも発達した時期で、アフも修復され、最大のもので80トンもあるモアイがつくられている。後期に入ると部族間の戦争が激しくなり、人口も急減して、石像は倒されアフは墓地となった。モアイは島の南東にあるラノララク山の旧噴火口内で、壁面に露出している凝灰岩を利用してつくられた。この石切り場には未完成のモアイが数百個体放置されている。また島内各地に散在するアフまでの運搬も大事業であったと思われ、アフに至る通路にも、運搬途中で失敗して、頭部を欠いたモアイが放置されている。
 イースター島の先住民はポリネシア系の民族と考えられている。ポリネシア民族の源流は、一般には東南アジア、インドネシア方面に求められ、ミクロネシア、西ポリネシアを経て、紀元前後ごろに東ポリネシアの諸島に移動が始まったとされている。しかしヘイエルダールは、探検家たちの先住民観察報告や、モアイの風貌(ふうぼう)などから、コーカサス系人種との関係を強調した。[寺島孝一]
『マジェール著、早津敏彦他訳『イースター島の巨石文明』(1972・大陸書房) ▽ヘイエルダール著、山田晃訳『アク・アク――孤島イースター島の秘密』(社会思想社・現代教養文庫) ▽A・コンドラトフ著、中山一郎訳『イースター島の謎』(講談社現代新書) ▽森本哲郎著『イースター島――遺跡との対話』(平凡社カラー新書)』

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精選版 日本国語大辞典

イースター‐とう ‥タウ【イースター島】
南太平洋、ポリネシア東端に位置するチリ領の火山島。復活祭の日に発見されたのでこの名がある。パースクア島ともいう。独特の石造遺跡、ことに顔を主体にした多数の巨人像(モアイ)が有名。

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