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ウイキョウ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ウイキョウ
Foeniculum vulgare; fennel
フェンネル,フェネルともいう。セリ科多年草で,南ヨーロッパ原産。古くから日本に渡来し,おもに長野,岩手,富山県などで栽培されている。草全体に一種の芳香があり,高さ1~2m,葉は糸状の裂片から成る数回羽状複葉でニンジンに似ている。夏,茎の先に散形花序をつける。花は黄色で小さく,果実は小円柱状で成熟すると2分果に分れる。果実を乾かしたものが局方生薬茴香 (ういきょう) で,胃薬や感冒薬に使われる。また西洋料理には欠かせない香辛料である。果実からとる精油は石鹸,リキュールなどの香料になる。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉プラス

ウイキョウ
セリ科の多年草。果実は生薬として使用され、健胃薬、うがい薬などに含有

出典:小学館
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日本大百科全書(ニッポニカ)

ウイキョウ
ういきょう / 茴香
fennel
[学]Foeniculum vulgare Mill.
セリ科の多年草。とくにスパイスとして用いられる種子をさしてフェネル、フェンネルともよばれる。全草に特有の香気がある。茎は緑色、円柱形で、高さ1~2メートル、上部で分枝する。その形態は同じセリ科のディル(イノンド)と似ていて間違えられやすい。葉はやや白っぽい緑色で、糸のように細く分かれ、柔らかい。夏に茎上部の葉腋(ようえき)から花序を出し、多数の黄色い小花を傘状につける。花弁5枚、雄しべ5本、雌しべ1本。果実は7~10ミリメートルの長円形で、1本の果柄に2個が互いに平らな面をあわせてつく。地上部は霜にあうと枯れ、地下部が生き残る。原産地は南ヨーロッパから西アジアで、今日では世界中に分布する。
 ウイキョウは古代エジプトで栽培され、古代ローマでは若い茎が食用とされた。中世ヨーロッパで、特異な香りと薬効のため魔法の草として知られ、しだいにフランス、イタリア、ロシア料理に不可欠な香辛料(スパイス)となった。地中海のマルタ島が産地として著名で、インドでも生産や利用が多い。中国へは4、5世紀に西域から伝わり、日本へは9世紀以前に中国から渡来した。現在は薬用として、長野、岩手、富山県で栽培されている。[星川清親]

食用

若葉はハーブとして利用し、種子はフェネル(フェンネル)またはフェネルシードと称し、スパイスとして肉料理や魚料理によくあい、サラダやケーキに混ぜたり、リキュールの着香料にもする。ウイキョウは、魚肉の香りを回復させるという意味の中国語名「茴香」の音読みからきている。[星川清親]

薬用

果実を乾燥したものを漢方では茴香、小茴香といい、アネトールを主成分とする精油を約6%含有するので、芳香性健胃、駆風(くふう)(腸内ガスの排出)、去痰(きょたん)、利尿、通経(不順月経の来潮促進)、催乳剤として用いる。精油中にフェンコン(英語でfenchone、ドイツ語でFenchon)を含有するものは樟脳(しょうのう)様の味がするので、これを苦(く)茴香ということがあり、日本、中国で栽培しているのはこの種類である。ヨーロッパでは、フェンコンを含まず、アネトールの甘い味が強い甘(かん)茴香を栽培している。いずれも胃カタル、腹痛の家庭薬として健胃散によく用いられる。また水蒸気蒸留によって茴香油をつくり、これをアルコールに溶かし、アンモニア水を加えたアンモニア茴香精は、小児、老人の無熱性気管支カタルの去痰剤として用いる。[長沢元夫]

栽培

移植を嫌うので、日当り、風通し、排水のよい肥沃(ひよく)な場所に直播(じかま)きする。雑種を避けるため、ディルの近くには植えない。トマトや豆類とは相性が悪く、近くに植えると成長を妨げるといわれている。[森田洋子]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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