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ウラン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

ウラン
uranium
元素記号U ,原子番号 92,原子量 238.0289。周期表3族,アクチノイド元素で,天然には同位体ウラン 234,235,238が存在し,いずれも放射性核種である。 1789年,M. H.クラプロートが発見。単体銀白色の金属で,688℃以下でα体,668~774℃でβ体,774℃以上でγ体が安定である。融点約 1133℃,沸点 3818℃。主要鉱石は閃ウラン鉱およびカルノー石であるが,第2次世界大戦後の需要の急増に伴い資源の開発が行われ,100種以上の含ウラン鉱物が見出されている。ウランはそのまま原子炉用燃料になるが,ウラン 235を分離し,濃縮ウランとして利用されることが多い。原子爆弾はウラン 235あるいはプルトニウム 239などの原子核分裂に伴い放出されるエネルギーを利用したものである。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

ウラン
原子番号は92。自然界にあるウラン(U)の同位体はウラン235とウラン238。ウラン鉱石中に含まれる天然ウランは、核分裂するウラン235が約0.7%で、残りは核分裂しないウラン238。一般的な商業用原子炉では、ウラン235の割合を3〜4%まで高めた核燃料を使って発電している。ウラン235の濃度を高めたものが濃縮ウラン。さまざまな工程を経て天然ウランを濃縮ウランにすることをウラン濃縮と呼ぶ。同位体同士の化学的性質はほとんど同じであるため、わずかな質量の差を見いだして分離濃縮する。高速回転する円筒容器に入れて、原子に働く遠心力の差を使う遠心分離法は、青森県六ケ所村の日本原燃の濃縮工場で採用されている。この工場は1992年3月に年間150tの規模で操業を開始し、現在の施設規模は年間1050t、最終的には年間1500tとする予定だ。ウラン濃縮の過程では天然ウランよりウラン235の含有率が低いものが生じ、これを劣化ウランという。経済協力開発機構・原子力機関(OECD/NEA)の推計によると、世界のウラン埋蔵量(経済的に採掘可能なもの)は2003年1月1日現在で458万8000t。現在の需要量でみると69年分に相当する。ウラン資源は偏在しており、オーストラリアが24%で最も多く、次いでカザフスタン、カナダと続く。
(渥美好司 朝日新聞記者 / 2008年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

ウラン
核分裂の過程で高エネルギーを放出する放射性物質の一つ。原料ウラン鉱石を精製して不純物を取り除いたものがウラン精鉱イエローケーキ)で、さらに濃縮などをし、核分裂を起こしやすいウラン235の比率を高めると、原子力発電の燃料や核兵器に使われる濃縮ウランができる。濃縮過程で生まれる劣化ウランは、天然ウランよりウラン235の比率が低い。
(2019-12-11 朝日新聞 朝刊 1社会)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

ウラン(〈ドイツ〉Uran)
アクチノイドに属する天然放射性元素の一。単体は銀白色の金属。閃(せん)ウラン鉱(ピッチブレンド)やカルノー石などに含まれる。天然に存在するウランの同位体は3種あり、質量数238が99.276パーセント、235が0.720パーセント、234が0.0057パーセント。ウラン235は熱中性子を衝突させると核分裂を起こし、臨界量以上あると連鎖反応によって核爆発を起こすため、原子炉燃料・核兵器原料となる。1789年、ドイツのクラプロートが発見し、1781年発見の天王星(Uranus)にちなみ命名元素記号U 原子番号92。原子量238.0。ウラニウム

出典:小学館
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編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

ウラン【uranium】
周期表元素記号=U 原子番号=92原子量=238.0289地殻中の存在度=2.7ppm(47位)安定核種存在比 234U=0.0057%,235U=0.7196%,238U=99.276%融点=1133℃ 沸点=3818℃比重=19.050(α‐ウラン),18.11(β‐ウラン,720℃),18.06(γ‐ウラン,805℃)電子配置=[Rn]5f36d17s2おもな酸化数=II,III,IV,V,VI天然に存在する重要な放射性元素で,周期表第IIIA族に属するアクチノイドの一つ。

出典:株式会社平凡社
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精選版 日本国語大辞典

ウラン
〘名〙 (Uran) (一七八一年に発見された天王星(Uranus)にちなんで命名) アクチノイドの一つ。記号 U 原子番号九二。質量数二二六から二四〇の一五種の同位体があり、うち天然同位体は二三四、二三五、二三八の三種。銀白色の金属光沢をもつ天然放射性元素。一七八九年、ドイツ人クラプロートが発見。ピッチブレンド、カルノー石などに含まれる。原子炉燃料、核兵器原料として用いる。ウラニウム。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

ウラン
ウラン
uranium

U.原子番号92の元素.電子配置[Rn]5f 36d17s2の周期表3族アクチノイド元素.原子量238.02891(3).天然には,234U0.0055(2)%,235U0.7200(51)%,238U99.2745(106)% の同位体核種が存在する.質量数217~242の核種が知られている.いずれも放射性.半減期は234U2.455×105 y(α崩壊),235U2.038×108 y(α崩壊),238U4.468×109 y(α崩壊).3核種ともごく一部,自発核分裂で崩壊する.地球創世期から存在する元素として最大の原子番号をもつ.1789年,M.H. Klaprothによりせんウラン鉱(pitchblend,uranite)中に存在が推定された.同じころに発見された天王星“uranus”にちなんで命名された.日本語の元素名はドイツ語名から.宇田川榕菴は天保8年(1837年)に出版した「舎密開宗」で,烏刺紐母(ウラニウム)としている.金属としての最初の分離は,1841年,E-M. Péligotによる.放射能の存在は,1896年,A.H. Becquerel(ベクレル)によってはじめて認識された.核分裂の確認は,1939年,O. Hahn(ハーン)とF. Strassmannによる.
地殻中の存在度0.91 ppm で,銀,カドミウムより多い.海水中の存在度は3.2 μg L-1.ウランを含有する鉱物は非常に多いが,資源的におもな鉱物は,せんウラン鉱,レキ青ウラン鉱,カルノー石,りん灰ウラン鉱,リン銅ウラン鉱,コフイン石,チューヤムン石など.主要資源国はオーストラリア,カザフスタン,カナダ,南アフリカ,アメリカなど.2005年世界の確認埋蔵量330万t のうち,オーストラリア75万t,カザフスタン51万t,カナダ35万t で50% 弱を占める.製錬は溶融ハロゲン化物のアルカリ金属,またはアルカリ土類金属による還元,電解還元,または酸化物のCa,Alによる還元で行われる.歴史的には,無水四塩化物をカリウムで還元して得られた.核燃料用の製錬工程は核燃料サイクル参照.単体は銀白色の金属で,展延性がある.α(斜方),β(正方),γ(立方)の3形があり,667 ℃ でα→β,778 ℃ でβ→γの転移が起こる.密度19.05 g cm-3(α型),18.11 g cm-3(720 ℃,β形),18.06 g cm-3(805 ℃,γ形).融点1132.2 ℃,沸点3820 ℃.0.2 K で超伝導となる.原子半径0.1542 nm.イオン半径 U3+0.1025 nm.第一イオン化エネルギー597.2 kJ mol-1(6.191 eV).化学的に活性で,ほとんどの元素と化合物をつくる.粉末は空気中で発火し,熱水と反応してUO2と水素になる.冷水にも侵される.金属は空気中で表面が酸化される.酸に溶けて水素を発生する.アルカリに不溶.高温で水素と反応してUH3となり,窒素と反応してU3N4をつくる.また,ハロゲンとはハロゲン化物をつくる.化合物中の酸化数は1,2,4~6をとる.
最大の用途は核燃料.通常の発電用原子炉では235U3% 濃縮のものが使われるが,研究用原子炉,あるいは核兵器では90% 以上の濃縮ウランが使用される.90% 以上(とくに93.5%)の濃縮ウランは兵器級(weapons-grade)とよばれる.0.2% 程度に235U同位体存在度が減っているものを劣化ウランとよび,弾丸の貫通力を高めるために,また戦車の装甲に使用される.密度の高いことから慣性誘導装置,ジャイロコンパス,ミサイルのバラストにも利用される.ウラン塩は古くからガラスを黄緑色に着色するために用いられ,ナポリ付近から出土したA.D.79年のガラス製品には酸化ウランが1% 含まれていた.ガラスの熱膨張率を調整して金属を封入する際にもウラニウムガラスが使用される.
ウランは重金属として腎臓,肝臓に対する毒性があり,同時に体内に摂取されると放射性毒性が高く,発がん性がある.ウランは原子力基本法のいう核燃料物質核原料物質で,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令」により,300 g を超える場合は使用許可を要する.国際原子力機関が1996年に刊行した「国際基本安全基準」は,この限度を1×104 Bq(0.8 g 相当)に下げることを提示しており,この値に準拠して1~300 g を規制対象に加える検討が進められている.[CAS 7440-61-1]

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
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東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
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東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
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