●エスチュアリー
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
エスチュアリー
estuary
海に向って三角形に開いた河口部。海岸平野など,起伏の小さいところの河川が沈水して形成された。河口部はゆるやかで潮汐や海水の影響を強く受ける。三角江ともいう。南アメリカのラプラタ河口,北アメリカのセントローレンス河口,ヨーロッパのエルベ川,テムズ川などがその例。このような河口は大型船舶の遡航が容易な場合が多いので,しばしば大河口港が発達する。ロンドン,ブエノスアイレス,モントリオール,ハンブルクなどはその好例である。
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世界大百科事典 第2版
エスチュアリー【estuary】
河川の下流部にある海の入江で,潮汐の影響をうけ,海水と淡水が出あい,混合する場所をいう。河口湾と訳される。一般に細長い漏斗状の形態をして,外洋に開口しているものと,出口に砂州があり部分的に閉ざされているものとがある。多くは最終氷期の海面が低かった時代にできた河谷が,後氷期の海面上昇によって溺れ谷となり,その後の堆積作用が相対的に弱いために埋積されず,河口部が水域のまま保持されている所である。テムズ川やエルベ川のように,水深が大きいために海上交通と内陸交通の接触点として重要な港湾施設が立地する所も多い。
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