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エティカ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エティカ
Ethica, ordine geometrico demonstrata
十余年の歳月をかけ 1675年に完成し 77年に遺稿として公刊されたスピノザの主著。全5部には形而上学,心理学,認識論,感情論,倫理学を核として,彼の全思想が体系化されている。公理と定義より出発し,そこから一切の命題を演繹する幾何学的方法は,絶対確実な真理の認識を追求した 17世紀合理主義の最高の達成である。まず永遠かつ絶対的無限者たる唯一の実体,すなわち神が公理の位置におかれる。万象は神の属性にほかならず,そのうちで人間の知りうるものは自然と精神の2系列である。属性は実体の論理的必然的な展開であり,神の永遠性や無限性という本質は自然にも精神にも完全に現象する。そこから神即自然 Deus sive naturaという自然汎神論と人間の自由意志を否定する決定論が生れ,個的人格も実体性を否定されるにいたる。さらに自然現象と精神現象とは,ともに神の同一性に基づくものであるから互いに完全に対応するとされ,物心平行論が帰結する。万象をこのようにみることが,「永遠の相の下に」認識することであり,真の認識である。それは神の無限と自由にあずかることであり,最高の善,徳である神への知的愛 amor Dei intellectualisを生むことになる。この愛もまた神のおのれへの無限の愛の部分であり,人間への神の愛と異なるものではない。このような汎神論的一元論はドイツ・ロマン派の哲学者,芸術家に深い影響を及ぼした。唯物論の側からも高く評価されるなど,無限に豊かな解釈の可能性を展開し現代にいたっている。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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