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エリクソン(Erik Erikson)【えりくそん】

日本大百科全書(ニッポニカ)

エリクソン(Erik Erikson)
えりくそん
Erik Homburger Erikson
(1902―1994)

アメリカの心理学者。ドイツのフランクフルトに生まれる。両親はデンマーク人であるが、エリクソンの生まれる前に離婚し、母親はドイツで小児科医ホンブルガーTheodor Homburgerと再婚。エリクソンも継父の姓を名のるが、1939年アメリカに帰化後はエリクソン姓を名のる。学校教育にはなじむことができず、絵の勉強をし、ヨーロッパを放浪する。これは、彼自身のアイデンティティidentityを求め、自分が何であるかを探し求めた旅であり、その後の多くの著作に痕跡(こんせき)が表れている。1927年ウィーンに移り、フロイトの末娘アンナ・フロイトAnna Freud(1895―1982)の友人の子供の肖像画を描いたことなどから、アンナ・フロイトの教育分析を受け、児童分析家になることを勧められる。1936年ハーバードでH・A・マレーの人格研究のグループに参加し、遊びの研究をする。その後、アメリカ先住民の保留地区での文化人類学的研究などを行う。1950年に出版された『幼児期と社会』は名声を得た著作である。人格発達の理論は、ライフサイクル論として展開され、青年期の発達課題として同一性(アイデンティティ)の獲得をあげたが、アイデンティティということばは、今日では精神分析に限らず社会一般に用いられている。著作は多く翻訳されているが、大筋ではフロイトの伝統をくむものである。

[外林大作・川幡政道]

『E・H・エリクソン著、岩瀬庸理訳『アイデンティティ――青年と危機』(1973・金沢文庫)』『仁科弥生訳『幼児期と社会』全2巻(1977、1980・みすず書房)』『エリク・ホンブルガー・エリクソン著、西平直・中島由恵訳『アイデンティティとライフサイクル』(2011・誠信書房)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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