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エルニーニョ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エルニーニョ
El Niño
赤道付近の東太平洋(ペルーやエクアドルの沖合い)で,クリスマスの頃,赤道に向かって流れるフンボルト海流(ペルー海流)が弱まり,海面温度が上昇する現象のこと。数年に一度,東太平洋の広い範囲で海面温度が上がる現象が 6ヵ月から 1年くらい続くことがあり,これをエルニーニョ現象という。エルニーニョ現象が起こると世界各地で気温や降水量の変化が顕著に現れやすくなり,日本では冷夏暖冬,梅雨明けの遅れ,日本付近では台風の発生数が減少する傾向がある。気象庁は 1992年から,エルニーニョ現象などの見通しを予測モデルを用いて 6ヵ月先まで予測し,その結果をもとにエルニーニョ監視速報として毎月発表している。(→ラニーニャ

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

エルニーニョ
南米のペルー沿岸沖で毎年クリスマスの頃に海面水温が一時的に高くなる現象を、地元ではスペイン語でエルニーニョ(「神の子」の)と呼ぶ。ところが数年に一度、沿岸沖から日付変更線にかけての広い太平洋東部海域で、海面水温が平年に比べ高い現象が半年以上も続くことがある。これがエルニーニョ現象。北東貿易風が何らかの原因で弱まると、太平洋西部の暖水が東部に移動する。すると、暖かい赤道海域で上昇気流が活発となり、次いで北太平洋高気圧を強めるなどして地球上の大規模な空気の流れを変え、世界的に異常気象をもたらす。日本では、梅雨明けが遅く、豪雨が降りやすく、冷夏や暖冬になりやすい。1997〜98年の20世紀最大のエルニーニョ現象の時は、インドネシアやオーストラリアで少雨・高温、北米などで大雨が降った。エルニーニョ現象の時は、南東太平洋のタヒチとオーストラリアのダーウィンとの気圧差は負となる。この気圧差の変動を南方振動(southern oscillation)といい、数年のリズムで変化しエルニーニョ現象と相関がよい。海洋のエルニーニョと大気の南方振動を合わせてエンソ(ENSO)と呼ぶ。インド洋でも東風が強まると暖水がアフリカ東岸に吹き寄せられ、インド洋西部が暖かく、インドネシア西側の海面が冷たくなる。海面水温、雲量分布などが二極化することから、ダイポール(dipole=双極)モード現象という。日本への影響は今後の研究課題。
(饒村曜 和歌山気象台長 / 宮澤清治 NHK放送用語委員会専門委員 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

エル‐ニーニョ(〈スペイン〉El Niño)
《幼子キリストの意》南米ペルー沖の近海で、ほぼ毎年12月ごろに水温が高くなる現象。貿易風が弱まることで付近の暖流が移動して発生する。
エルニーニョ現象」の

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

エルニーニョ【El Niño】
南アメリカ大陸の西岸ペルー沖の海域には,ふだんは湧昇流が生じている。つまり海の表層は,通常深層から昇ってくる栄養分に富む冷たい海水によって満たされている。ところが数年に1度赤道方面から暖かい水が流れ込み海況が一変することがある。この現象がエルニーニョと呼ばれるもので,いったんエルニーニョが起こると数ヵ月も続くので,沿岸の気候に影響することはもとより,海中のプランクトンを死なせてしまうために,世界最大の漁場である同海域の漁獲量が激減するなどその影響はきわめて大きい。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

エルニーニョ
えるにーにょ
El Niño

南アメリカのペルー、エクアドル沖で数年に一度、熱帯系の温暖水が突入する海洋の現象。この海域は南大洋(南極海)から北上する寒流のペルー海流(フンボルト海流)が流れており、また岸近くの冷たい湧昇(ゆうしょう)流もあって水温は低い。ここに赤道反流系の温暖水が突入するのがエルニーニョである。これが一度おこると、海洋的には異常高温水が広がり、気象的には海岸にごく近いペルー内陸部に豪雨、洪水をもたらす。海況がまったく変わるため、魚類、プランクトン、とくにカタクチイワシ(アンチョビー)の量が激減し、それを餌(えさ)にする鳥類も死ぬか飛び去ってしまう。世界有数の水産国ペルーにとって大きな海洋災害である。この現象はクリスマスのころにおこることが多いところから、現地では昔からエルニーニョ(スペイン語で幼児、英語でChrist Childの意)とよばれていた。

 最近の研究では、エルニーニョは現象的にはペルー沖の局所的なものでなく、太平洋全域の海洋、大気の循環に密接に結び付いていることが明らかになってきた。すなわち、西向きの貿易風が強いとき、赤道水は西太平洋のほうに吹き寄せられ、そこに滞留する。しかし貿易風の風速が弱まると、この暖かい表層水は東太平洋のほうに押し戻され(平均海水温2~3℃上昇)、その結果エルニーニョがおこる。また現在では、コンピュータを使ったシミュレーションなどによって、実際の大気での貿易風の時間変動を与えれば、簡単な海洋モデルを用いてエルニーニョの生成に関する定性的予測(半年くらい先)も可能となった。

 近年における顕著なエルニーニョは、1980年代には82~83年、86~87年におきた。83年、87年のエルニーニョ年の夏の日本付近では太平洋高気圧の張り出しが弱く、気温の低い不順な夏であった。ところが90年代になると、80年代と違って小規模なエルニーニョが毎年短期間発生するようになった。80年代までは、エルニーニョの年には日本は暖冬になりやすいといわれたが、90年代には冬の天候はエルニーニョでなくても暖冬の年も多く、日本を含めた中緯度地域の冬の天候とエルニーニョの関係は、今後の重要な研究課題となっている。

[半澤正男・岸保勘三郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

エル‐ニーニョ
〘名〙 (El Niño 「幼子キリスト」の意) 五~八年に一度、クリスマスのころペルー沖の暖流が南下し、海面水温が一~五度高くなる現象。世界各地に異常気象をもたらす。もともとは、南米太平洋岸のグアヤキル湾に流れこんだ暖流のため暖流系の魚がとれ、これをクリスマスプレゼントと考え、ペルーでエル‐ニーニョとよんだもの。

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