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エレクトロルミネセンス【えれくとろるみねせんす】

デジタル大辞泉

エレクトロルミネセンス(electroluminescence)
蛍光体電界を加えると発光する現象。蛍光体に無機材料を用いるもの(無機EL)と有機材料を用いるもの(有機EL)がある。発光ダイオード(LED)が点光源であるのに対し、エレクトロルミネセンスは面全体を均一に発光させることができる。低消費電力で高輝度が得られ、薄型・軽量化が可能なため、次世代の照明・テレビ・ディスプレーなどの材料として期待されている。エレクトロルミネッセンス。電解ルミネセンス。EL

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

エレクトロルミネセンス【electroluminescence】
人工的に光を得る方法には,物体を熱して発光させる方法(白熱電球など)と,熱には頼らない方法とがある。後者を総称してルミネセンスluminescenceという。ルミネセンスを起こすにはなんらかの方法で物質の電子を励起させる必要があるが,光で励起させる場合をフォトルミネセンスphotoluminescenceという。励起後のごく短時間,または励起中だけ発光を持続するフォトルミネセンスが蛍光で,蛍光灯はこれを利用している。

出典:株式会社平凡社
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エレクトロルミネセンス
electroluminescence
電場発光ともいう。硫化亜鉛のようなケイ光体を2枚の電極板の間に詰めて,これに交流電圧をかけるとケイ光を出す現象。電極にかける電圧と交流周波数が高いほど発光強度は大きい。直流電圧で発光するものも見出されている。 (→ルミネセンス )

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

エレクトロルミネセンス
えれくとろるみねせんす
electroluminescence

熱による以外の光放射をルミネセンスといい、電気によって発光する現象をエレクトロルミネセンス(略してEL)という。普通は、蛍光体を誘電体内に分散した発光層を平行電極で挟み、電界を加えて発光させる真性ELをいうが、学術的には、半導体への電流の注入により発光する注入型ELを含めている。

 1920年にドイツのグッデンB. GuddenとポールR. W. Pholが、硫化亜鉛蛍光体に電界を加えると発光することを発見した。ついでフランスのデトリオG. Destriauが36年に、ひまし油(誘電体)内に硫化亜鉛(蛍光体)粉末を入れたものを0.1ミリメートルに対抗させた電極で挟み、50ヘルツの交流で発光させることに成功した。この現象が真性EL、すなわちエレクトロルミネセンスであり、1950年代から研究が盛んとなり、今日のELランプとELディスプレーの基本となり、実用化されている。他方、1909年にイギリスのラウンドH. J. Roundが鉱石検波器の研究中に、炭化ケイ素の小片が発光することをみいだした。これは22年にソ連のローセフО. В. Лосев/O.V.Losevにより、研摩用の炭化ケイ素に電極をつけて電流を流し、発光させることで確認された。この現象が注入型ELであり、発光ダイオードとよばれるものの基本となっている。

[岩田倫典]

ELランプ

ELランプは薄板状の理想的な面光源であることが注目され、日本では1961年(昭和36)から実用化されている。基本的なものは、硫化亜鉛系の特殊な蛍光物質を誘電体に混合して数十マイクロメートル程度の厚さをもつ薄膜発光層とし、一方が透明の2枚の電極で挟んで交流で駆動するようになっている(これをデトリオ型という)。市販されているものには次の三つの型がある。ガラス基板上に透明電極を置き、その上に蛍光体をプラスチック・バインダーで固め、さらにアルミ蒸着して電極としたものをガラス‐プラスチック型という。鉄基板上に白色ほうろうをつくり、その上にほうろうの発光層を重ね、さらに透明電極をつけたものをセラミックス型、さらにプラスチックフィルム上にアルミ箔(はく)をつけ、さらにプラスチック・バインダーで固めた蛍光体の発光層をつくり、導電性ガラス紙(し)を積み重ねて電極としたフレキシブルなものをプラスチック型という。これらはすべて厚さ0.5~5ミリメートル、1辺の長さが30センチメートル程度である。

 電源周波数は50~60ヘルツ、400ヘルツ、1000ヘルツのものがつくられている。100ボルト・50ヘルツのもので10ルクス程度と照度が低いため、普通の照明ではなく、比較的暗い場所の表示灯とかムード照明などのほかに、計器などの文字盤照明、常夜灯、足下灯などに用いられる。発光色は蛍光物質の組成に従うが、青、緑、黄赤(橙(だいだい))が基本色となっている。また、液晶ディスプレーのバックライトとして200カンデラ毎平方メートル、寿命1万時間のものがある。

[岩田倫典]

ELディスプレー

図形またはマトリックス状に配した透明電極と基板電極間に発光物質を挟み、電圧を加えて電界発光させるパネルで、映像・文字などをブラウン管並みの明るさで表示する。液晶に比べると応答速度ははるかに速く、消費電力や厚さは数分の1と少ない。さらには、自発光であるので視野角は広く、バックライトは不要という優れた性質がある。発光物質が有機物のものを有機ELディスプレー、無機物のものを無機ELディスプレーとよぶ。

 無機ELディスプレーは、発光薄膜(硫化亜鉛ZnSなど)を絶縁層でサンドイッチ状に挟んだものの上下に電極を付着させた構造で、全固体式なので衝撃に強く、ちらつきのない鮮明で高輝度な画像が得られる。量産の主流はモノクロ(橙黄色)の5~18型のもので、橙黄色をベースにした8色+黒も製品化されている。駆動電圧は200ボルトと高いが、寿命は2万時間と長い。フルカラーのものは開発の段階にある(2000年現在)。製品のおもな用途は、計測計器、FA・OA・ME機器や自動車内用、公共表示用(欧米に多い)のパネルなどである。

 有機ELディスプレーは、薄く積層した発光有機化合物に数ボルトの低い直流電圧を加えて高輝度・高効率の発光が得られるもので、1987年に基礎技術が開発された。その後の研究が盛んとなり、発光有機化合物に応じた種々な発光色をもち、寿命は1万時間である。動作電圧が低く低消費電力であることから、マルチカラーの車載用AV機器、デジタルカメラの画像表示、携帯機器向けに、1997年から数インチ(1インチは25.4ミリメートル)のものが製品化されている。さらに、携帯機器、動画、ゲーム用に応答速度の速いフルカラーディスプレーとして0.5インチから数インチのものが開発され商品化が進められている。

[岩田倫典]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

エレクトロ‐ルミネセンス
〘名〙 (electroluminescence) 透明な板状の導体間に、硫化亜鉛系の蛍光物質をはさみ、両側の導体に交流電圧を加えたときに発光する現象。壁面照明、光増幅器などに応用される。電圧発光。電界発光。

出典:精選版 日本国語大辞典
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化学辞典 第2版

エレクトロルミネセンス
エレクトロルミネセンス
electroluminescence

電場を加えて生じるルミネセンスをいう.電気エネルギー(あるいは信号)より光エネルギー(あるいは信号)への変換を生じるものであるために,情報のディスプレイあるいは伝達の装置としての応用をもつ.励起機構によって三つに分けることができる.第一は,蛍光体粉末を誘電体に分散させて,これを平行電極板ではさんだ発光パネル(ELパネルともいう)の場合で,10 kV cm-1 もの交流高電場で加速された電子が,発光中心に衝突して励起が行われ発光する.種々のZnS蛍光体,とくにZnS:Mn,ClやZnS:TbF3 などが発光パネルとして使われる.第二は,半導体p-n接合発光ダイオードの場合で,順方向電圧によって少数キャリヤーの注入が起こり,多数キャリヤーと再結合して発光する.GaP:N,GaP:Zn,GaAs,Ga(As,P),(Ga,Al)Asなどの発光ダイオード,GaAs,(Ga,Al)Asなどのレーザーダイオードがある.第三は,半導体p-n接合に逆方向に降伏電圧を印加したときに生じる点状発光(マイクロプラズマ発光)の場合で,接合部の高電場で加速されたキャリヤーによって,急激にイオン化が起こり発光する.Si,Ge,GaP,GaAs,SiCで観測されている.

出典:森北出版「化学辞典(第2版)」
東京工業大学名誉教授理博 吉村 壽次(編集代表)
信州大学元教授理博 梅本 喜三郎(編集)
東京大学名誉教授理博 大内 昭(編集)
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東京工業大学元教授学術博 梶 雅範(編集)
東京大学名誉教授理博 小林 啓二(編集)
東京工業大学名誉教授 工博佐藤 伸(編集)
東京大学名誉教授理博 西川 勝(編集)
東京大学名誉教授理博 野村 祐次郎(編集)
東京工業大学名誉教授理博 橋本 弘信(編集)
東京工業大学教授理博 広瀬 茂久(編集)
東京工業大学名誉教授工博 丸山 俊夫(編集)
東京工業大学名誉教授工博 八嶋 建明(編集)
東京工業大学名誉教授理博 脇原 將孝(編集)

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