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エレンブルグ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エレンブルグ
Erenburg, Il'ya Grigor'evich
[生]1891.1.27. キエフ
[没]1967.8.31. モスクワ
ソ連の作家。ユダヤ人の中流家庭に生れたが,革命運動に参加,18歳でパリに亡命し,唯美派的な処女詩集『詩篇』 Stikhi (1910) で文壇に登場。革命勃発とともに帰国したが,1921年新聞特派員となり,パリ,ベルギー生活のなかで最初の長編『フリオ・フレニトの奇妙な遍歴』 Neobychainye pokhozhdeniya Khulio Khurenito (22) を書き,レフ LEF (芸術左翼戦線) に参加しながら実験小説などを発表。第2次世界大戦当時にも多くの長編があるが,戦後の特筆すべき作品として『あらし』と『雪どけ』がある。ソ連知識人の精神史ともいうべきライフワーク人間・歳月・生活』 (邦訳『わが回想』) を書き残した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

エレンブルグ(Il'ya Grigor'evich Erenburg)
[1891~1967]ソ連の小説家。たびたび西欧滞在。鋭い時代感覚と柔軟な知性をもって多彩な文学活動を展開。小説「トラストDE」「パリ陥落」「」「第九の」「雪解け」、回想録「人間・歳月・生活」など。

出典:小学館
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世界大百科事典 第2版

エレンブルグ【Il’ya Grigor’evich Erenburg】
1891‐1967
ロシア,ソ連邦の詩人,作家。キエフのユダヤ人家庭に生まれ,少年時代をモスクワで送った。15歳のときボリシェビキの地下運動に参加,17歳で逮捕され,翌年パリへ亡命。1910年に処女詩集《詩篇》を刊行,パリのモンパルナスのカフェ〈ロトンド〉にたむろするボヘミアン芸術家たちと親交を結ぶ。革命の報をきいて,9年間のパリ生活から帰国,ウクライナで国内戦のにまきこまれた。20年にようやくモスクワへ出,革命の現実をまのあたりにする。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

エレンブルグ
えれんぶるぐ
Илья Григорьевич Эренбург/Il'ya Grigor'evich Erenburg
(1891―1967)

ロシア・ソビエトの詩人、作家。キエフのユダヤ人の家庭に生まれモスクワで成長した。15歳でボリシェビキの地下運動に参加、17歳で逮捕され、18歳でパリへ亡命。モンパルナスのカフェ「ロトンド」に集まるボヘミアン芸術家と親交を結び、処女詩集『詩篇(しへん)』(1910)を刊行。祖国の革命の報に接し急ぎ帰国したが、たちまち国内戦の渦に巻き込まれ、ようやく1920年にモスクワへ戻った。ロシア革命の現実になかば幻滅し、翌21年、ふたたび新聞の特派員としてパリへ赴く。しかし、まもなく追放され、ベルギーで処女長編『フリオ・フレニトの奇妙な遍歴』(1922)を書く。資本主義世界を風刺的手法で暴き、初期エレンブルグ独特のシニカルな筆致が目だつ作品だが、晩年に至るまで作者はひそかな愛着を覚えていたようだ。その後もベルリンで『トラストDE、ヨーロッパ滅亡史』(1922)、『13本のパイプ』(1923)などを発表、作家としての地位を確立した。しかし、『第二の日』『息もつかずに』(ともに1934)を書くまでは社会主義ロシアの作家としての自覚に欠けていたようにみえる。36年、スペイン内戦に際し、旧ソ連当局の許可も得ずにパリからマドリードへ飛び、人民戦線に投じた。この間の事情は『パリ陥落』(1942)および回想録に詳しい。第二次世界大戦中は反ファシストの闘士として新聞紙上に健筆を振るった。評論集『戦争』(1944)はその成果である。戦後は『あらし』(1947)、『第九の波』(1951)など国際政治を舞台にした長編を発表。旧ソ連政府の西欧へのスポークスマン的な役割をも果たした。スターリン死後、中編『雪どけ』(1954)を発表、旧ソ連社会の自由への息吹をいち早く伝えた。晩年は回想録『人間・歳月・生活』(1960~65)を書き、旧ソ連知識人の精神史の空白を埋め、20世紀の貴重な証言となった。

[木村 浩]

『工藤精一郎訳『フリオ・フレニトの遍歴』(1969・集英社)』『工藤精一郎訳『パリ陥落』全3巻(新潮文庫)』『木村浩訳『わが回想 人間・歳月・生活』全6巻(1961~66・朝日新聞社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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