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エングラー

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

エングラー
Engler, (Gustav Heinrich) Adolf
[生]1844.3.25. サガン
[没]1930.10.10. ダーレム
ドイツの植物分類学者,植物地理学者。ブレスラウ大学で学位を得たのち,キール,ブレスラウ各大学教授を経て,1889~1921年にわたり,当時ヨーロッパで最大の植物園であったベルリン植物園園長をつとめた。ドイツにおける植物地理学・分類学の指導的地位にあった彼は多くの著書を著わしたが,なかでも K.プラントルなどとともに出版した『自然植物分科大全』 Die natürlichen Pflanzenfamilienは重要である。 02,05年にアフリカインドジャワへ調査におもむき,13年に世界一周旅行を行なった際に来日した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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日本大百科全書(ニッポニカ)

エングラー
えんぐらー
Heinrich Gustav Adolf Engler
(1844―1930)

ドイツの植物学者。北部ドイツの小都市ザガン(現、ポーランド)に生まれる。ブレスラウ大学に学び、ネーゲリに師事した。キール大学、ブレスラウ大学で教鞭(きょうべん)をとり、1889年からベルリン大学教授となり、ダーレム植物園を創設した。1913年(大正2)に研究のため来日。植物分類学、植物地理学を専門とし、著書『植物分科提要』Syllabus der Pflanzenfamilien(1892)、プラントルKarl Prantl(1849―1893)との共著『自然植物分科』Die Naturlichen Pflanzenfamilien全23巻(1887~1915)によって、植物界を「エングラーの大系」にまとめあげた。『提要』は、ディールズLudwig Diels(1874―1945)と共著で出された1936年版において11版を重ね、没後に12版が出されている。彼の植物分類系は、今日もっとも広く用いられているもので、世界の植物標本室や植物図鑑のほとんどが、科の配列順序をこれに従っている。彼はアイヒラーAugust Wilhelm Eichler(1839―1887)の分類系を継承し、構造の単純なものから複雑なものへ進化したという観点から、たとえば、被子植物の科を、花被(かひ)のないものから萼(がく)と花弁をもつものへ、離弁花から合弁花へ、離生子房から合生子房へ、子房上位から子房下位へと配列している。今日の系統分類学の水準からみれば、この配列が自然の系統関係を示しているとはいいがたいが、この分類が広く用いられているのは、配列の原理が単純で、実用的な点に加えて、地球上のすべての植物を網羅した点において、他に匹敵するものがないことによると思われる。

[森田龍義]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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