●オオバコ
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
オオバコ
Plantago asiatica
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世界大百科事典 第2版
オオバコ【Plantago asiatica L.】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
オオバコ
おおばこ / 大葉子
[学] Plantago asiatica L.
オオバコ科の多年草。葉は卵形で先は鈍くとがり、基部は円形で急に狭くなって柄に移行する。質が厚く、平行に走る脈がある。花茎は高さ10~50センチメートル。4~9月、長い花穂に白色または淡紫色の小さな花が下方から上方へと順次開く。花冠は4裂し、4本の雄しべは花筒より長く、雌しべが先に熟す。萼(がく)は長楕円(ちょうだえん)形。果実は中央で横に裂ける。種子は黒褐色で1果内に4~8個、湿ると種子の表面は粘液状になり、人や動物などに付着して伝播(でんぱ)する。人によって踏み固められた所に生えるので路上植物といわれ、高山帯にまで達しているが、人に踏まれないと自然に消滅してしまう。日本全土、東アジアに分布する。オオバコ属は世界に260種分布し、そのうち日本に5種が自生し、7種が帰化している。
[高橋秀男]
薬用
代表的な人里(ひとざと)植物で、日本では史前帰化植物と考えられている。中国では、道路上に生えるので車前草(しゃぜんそう)の名がある。腫(は)れ物の吸い出し、切り傷の治療に効のある民間薬として、世界各地で使われている。旧ソ連では、オオバコから多糖類プランタグルチッドを含む潰瘍(かいよう)治療薬を開発した。また種子の車前子は、すでに唐代の『神農本草経(しんのうほんぞうきょう)』に利尿剤としてあがる。水を含むとゼラチン状の物質を出し、プランタサン、プランタゴサイド、プランテノル酸、アウクビンなどのオオバコ特有の成分を含むため、去痰(きょたん)、鎮痛、下痢(げり)止め、止血剤として、咳(せき)、下痢、膀胱(ぼうこう)結石、月経過多、眼病などの治療に用いる。中国では本種のほかにムジナオオバコP. depressa Willd.も用い、ヨーロッパではヘラオオバコ、プランタゴ・プシリウムP. psyllium L.をおもに用いる。ボルネオ島では野菜として、またヨーロッパの一部ではサラダに使うなど、利用面が広い。
[長沢元夫・湯浅浩史]
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