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オキナグサ

世界大百科事典 第2版

オキナグサ【Pulsatilla cernua (Thunb.) Spreng.】
山地の草原に生えるキンポウゲ科の多年草。根茎は直立し,太い根があり,根生葉を叢生(そうせい)する。根生葉は羽状複葉で,小葉は中~深裂し,さらに刻する。葉柄の基部は広がって葉鞘(ようしよう)となる。春,花茎を出し,1個の花を頂生し,その下に無柄の茎葉を輪生する。この茎葉輪はしばしば総苞とよばれる。植物体は白い長軟毛におおわれる。花は鐘状でうつ向いて咲き,萼片は6枚,平開せず外面は白い絹様毛を生じ,内面は暗赤紫色。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

オキナグサ
おきなぐさ / 翁草
[学]Pulsatilla cernua (Thunb.) Bercht. et J.Presl
キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)の多年草。春に葉が出ると同時に花茎を伸ばし、花期に約10センチメートルとなり、花期後に30~40センチメートルとなる。葉は根際につき、葉柄があり2回羽状複葉で、小葉はさらに深く裂け、裂片はくさび形で線形。全体が白毛に覆われる。花弁はなく、萼片(がくへん)6枚が花弁状になり、暗紫色で表面は白毛に覆われ、下向き鐘形の花を普通は1個頂生する。果実は長卵形の痩果(そうか)で、花柄の先に集まってつき、柱頭が羽毛状に成長し白髪状となり、名はこれに由来する。オキナグサの名は『本草和名(ほんぞうわみょう)』や『和名抄(わみょうしょう)』にもみられ、根は白頭翁と称し、古くから薬用とされた。薬用種は本来中国原産のヒロハオキナグサで、朝鮮産のものも同様に用いられる。山野の明るい草地などに生育し、北半球に約30種分布し、山草として鉢植えやロック・ガーデン用とする。繁殖は秋に株分けによるが、実生(みしょう)も可能で新鮮な種子を用いる。
 ヨーロッパに広く分布するセイヨウオキナグサは白、赤、藍(あい)、赤紫色と花色は豊富で、花茎は15~30センチメートルとなり、花期後の花柱は日本のオキナグサ同様白髪状となる。[冨樫 誠]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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