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オンブズマン

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

オンブズマン
ombudsman
スウェーデンで初めて設けられた行政監察官のこと。スウェーデン語でいう原義は代理および代表を味するが,一般には国政監察制 Justitienombusmanをいう。スウェーデンでは 1809年以来議会が議員以外の適任者をオンブズマンに指名してきたが,1967年以降その数は3人になっている。彼らは議会によって任命されるが,議会には独立した受任者である。国民はだれでも不当な行政活動についてオンブズマンに訴えることができる。その訴えに基づいて彼らは具体的な事案を審査し,必要なときは処罰を求め,あるいは起訴の手続をとる。またオンブズマンみずからの摘発もある。国によって制度形態に違いがあるが,北欧3国,ニュージーランド,イギリスおよびアメリカのいくつかの州や市でこの制度を採用している。スウェーデン以外の国では司法を所轄からはずしており,イギリス,フランスなどでは国民からの直接的な苦情を受付けていない。またアメリカの場合は議会でなくて行政首長によって任命され,単に苦情を処理するにすぎないものである。日本でもこの制度の採用を主張する学者は多く,地方レベルでは神奈川,川崎市の川崎市市民オンブズマンあるいは長崎,諫早市の市政参与委員などの設置が実現した。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

オンブズマン
メディアの自主規制システムの1つで、メディアの報道に関して、編集・報道部門からは独立して意見を述べたり是正のための取り組みにあたる人またはその職。「代理人」の意味で、つまり、一般市民の立場を代弁するという趣旨である。スウェーデンの議会オンブズマンの仕組みに起源を持ち、1969年には同国でプレス・オンブズマン制度が設けられた。このプレス・オンブズマンは、様々な新聞・雑誌による人権侵害の申し立てを受け付けて調査やメディアとの協議を行う役割をもち、協議がまとまらない時は報道評議会に事案を送付して解決を委ねる。他方、アメリカで、たとえば1970年に設けられたワシントン・ポストの社内オンブズマンは、社の内部組織として一定の独立性を与えられ、読者からの苦情や批判を受け付けて対応し、紙面の改善を求める仕事を行う。意見を紙面のコラムで公表する場合もある。こうした仕組みは編集の自由に対する制約であるという主張もあるが、従来こうした立場に立っていたニューヨーク・タイムズも、記事の捏造(ねつぞう)事件をきっかけに、2003年、読者の代表として読者からの電話やメールを受け付け、コラムで自由に意見表明ができるパブリック・エディターを任命した。
(浜田純一 東京大学教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

朝日新聞掲載「キーワード」

オンブズマン
護民官」や「代理人」を意味するスウェーデン語。行政への苦情を受けつけ、原因の究明や不正の監視告発を行う人のこと。オンブズマン制度は世界各地で導入され、日本では民間団体が中心となり、官官接待やカラ出張の追及などで名を上げた。93年に旗揚げした仙台市民オンブズマンが、開示請求した公文書照会から不正を見つける手法を確立した。オンブズマン同士の情報交換や共同研究を行う「全国市民オンブズマン連絡会議」に、県オンブズマンネットワークをはじめ全国84団体が加盟している。
(2007-01-30 朝日新聞 朝刊 静岡 1地方)

出典:朝日新聞掲載「キーワード」

デジタル大辞泉

オンブズマン(〈スウェーデン〉ombudsman)
代理人の意》苦情調査官。役所公務員違法行為を見張り、行政に関する苦情を調査・処理する機関、または人。

出典:小学館
監修:松村明
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編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

オンブズマン【ombudsman】
広く行政作用によって国民の権利や利益が損なわれないよう国民に代わって苦情の解決および行政の適正運営の確保を図るために行動する人。最近は,この呼称が〈マン〉である男性のみを表しているのではないかということから,〈オンブズ〉とか,〈オンブズパースン〉といわれることもある。 元来は,ゲルマン民族の一部において,不法行為によって被害を受けた者に代わり不法行為者から補償金を取り立てるため中立の団体から選任された者をいった。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

オンブズマン【ombudsman】

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

オンブズマン
おんぶずまん
ombudsman
もともと代理者を意味するスウェーデン語だが、それ以外の国でも広く用いられるようになっている。また、最近ではこれをオンブズ、オンブズパーソンと言い表すことが多くなっている。日本では通常、国政監察官(行政監査専門員、または行政監察委員ともいう)と訳されている。スウェーデンで1809年に創設された制度で、国会が政府機関に対する国民の苦情を処理するため任命した官職である。この国では1915年に軍事オンブズマンも設置されたが、1968年には両者が統合されて、3人のオンブズマンが軍隊に対する苦情を含めて、政府の行政機関に対する苦情調査の責任を分担することとなり、1976年には1人の主任オンブズマン兼事務局長を含む4人のオンブズマンが置かれることになった。スウェーデンのオンブズマンの権限は強大で、警察、外務省、保安当局のすべての活動を含む中央・地方政府、国有化産業、裁判官などの不当な行動に対して、本人の苦情申立ておよび自らのイニシアティブで調査を行い、施設を査察することができる。またいかなる関連文書への接近も拒否されることはない。そして調査結果に基づいて関連の政府機関に勧告をし、国会ないし政府に対して立法および政策変更の提案をすることができる。
 この制度はとくに1950年代以降、相対的にもっとも有効で手早い苦情処理・行政救済制度として、北欧諸国、ニュージーランド、オーストラリア(州レベル)、カナダ(州レベル)、イギリス、フランス、ドイツ、アメリカ(州・地方レベル)など十数か国に広まっている。もっとも名称はさまざまで、カナダのケベック州では「護民官」、イギリスとニュージーランドでは「議会コミッショナー」、フランスでは、「メディアトゥール」、ドイツでは「防衛コミッショナー」とよばれている。オンブズマンの管轄範囲と権能は国によって異なる。それは、普通、国会によって任命されるが(フランスは政府による)、管轄範囲や権限は、概していえば、北欧諸国などでは広くて強いのに対して、イギリスなどでは制限されている。公衆が直接にオンブズマンに苦情を持ち込むことが許されていない国もイギリスとフランスのみであり、オンブズマンの調査権を過誤行政に関する苦情調査に狭く限定しているのもイギリスのみである。日本では、苦情処理制度として総務庁(現総務省)の行政相談員制度があったが、権限も手続も欧米諸国に比べて弱く、そのためオンブズマン制度の採用を主張する学者や法曹の声が高まっていた。そうしたなかで、1990年(平成2)の秋、川崎市の「市民オンブズマン」、東京都中野区の「福祉オンブズマン」(福祉サービス苦情調整委員会)を皮切りに、いくつかの地方自治体においてオンブズマン制度もしくはこれと類似の制度の導入が図られた。また、民間の自発的組織としての市民オンブズの活動は1990年以降盛んであり、自治体の支出についての情報公開を求めたり、官官接待や空出張などの実態を明らかにしてきた。[田口富久治]
『フランク・A・ステーシー著、宇都宮深志・砂田一郎監訳『オンブズマンの制度と機能』(1980・東海大学出版会) ▽行政監察制度研究会編『新時代の行政監察』(1990・ぎょうせい)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

オンブズマン
〘名〙 (ombudsman もとスウェーデン語で、代理人の意) 苦情調査官。行政を市民の代理人として監視し、苦情を調査、処理する機関や人。

出典:精選版 日本国語大辞典
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