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オーセンティック評価【オーセンティックひょうか】

最新 心理学事典

オーセンティックひょうか
オーセンティック評価
authentic assessment
オーセンティック評価とは,人びとが社会で実際に直面する問題と,評価で用いられる課題との同質性を重視する評価方法を指し,真正の評価ともよばれる。ウィギンズWiggins,G.P.によって提唱されたオーセンティック評価の目的は,学校での学習課題を現実生活に近い状況で設定したり,現実社会での課題と同質のものに近づけたりすることによって,学習者が新しいスキルや知識を活用しながら,現実的で意味のある活動を達成するプロセスと成果の質を解釈することにある。

 学校における学力評価は,学習者が特設された場所で筆記によって解答し,これを評価するものであるが,これは実生活で体験する評価のあり方とはまったく異なっている。むしろ現実の社会では,多様な問題解決場面におけるプロセスや成果がトータルに評価されるとともに,解答が一つでないことも一般的であり,協同的な解決が求められる場合も多い。学校と実社会の間で評価のあり方がこのように乖離している現状を批判し,より現実に近い真正の評価の実現をめざして提唱されたのがオーセンティック評価である。

 オーセンティック評価が提唱された背景には,1980年代以降のアメリカにおいて標準学力テストがアカウンタビリティの指標として支配的になり,学校現場において「テストのためのテスト」さらには「テストのために教える」といった偏向,現実社会で求められる能力を適切に評価するためには断片的で抽象的な知識や技能を問う従来のテストのあり方には限界があるとする認知科学,状況主義的学習論,構成主義的学習論からの指摘がある。また,オーセンティック評価は,1980年代後半以降に教育評価の理念を実現するための方法的力点が「量的測定」から「質的解釈」へと大きく変化した「教育評価方法のパラダイム転換」の基盤となる主要な考え方の一つとして位置づけられる。

 オーセンティック評価によって,学習者が学ぶ必然性を感じる可能性が高まるといった学習意欲への効果や,学習課題そのものが評価課題であることから学習者は課題に取り組むプロセスにおいて効果的で創造的なパフォーマンスをなし遂げるために知識や技能を必然的に用いなければならず,質の高い学習が生起することが期待されている。オーセンティック評価の実践は教育評価活動であると同時に,オーセンティックな学習の実現を通して指導と評価の一体化を図り,質の高い学習活動を促すことを意図した教育実践として位置づけることができる。 →教育評価 →構成主義 →パフォーマンス評価
〔鹿毛 雅治〕

出典:最新 心理学事典
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