●カブール
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
カブール
Cavour, Camillo Benso
[没]1861.6.6. トリノ
イタリアの政治家。イタリア王国の第1代首相。ピエモンテの名門貴族出身。トリノ士官学校を卒業したが,自由主義思想をいだいて 1831年軍役を退く。フランスとイギリスへの旅に出て自由主義経済と議会主義に深い確信をもって帰国し,広大な領地に資本主義的大農場経営を導入して農業改革に努め,工業化の課題に取組むため銀行設立,鉄道敷設の事業を熱心に進めた。 47年"Il Risorgimento"紙を創刊して政治的ならびに経済的な自由主義の主張を掲げ,48年新たに開設されたサルジニア王国議会の議員となり政治活動に足を踏入れた。中道右派の立場に立って M.アゼリオ内閣で 50年農商工相,51年財務相をつとめ,中道左派の指導者 U.ラタッツィと連合を結び,52年みずから首相の地位を得た。以後 59年7月まで産業振興策を積極的に推進し,自由貿易主義の見地に立つ低関税政策と英仏両国との通商拡大,金融・信用制度の充実などを果した。その自由主義的政策はイタリア各国の亡命者をひきつけて,ピエモンテをリソルジメント運動の中心地とする効果をもたらした。外交政策では,1858年ナポレオン3世とプロンビエルの密約を結んでオーストリアに対する独立戦争の準備を進めた。 59年戦端が開かれて勝利の見通しが強まったとき,突如としてビラフランカの和議がなされたため,これに抗議して同年7月首相を辞任した。しかし 60年1月に復帰して,3月中部イタリアの併合に成功,続いてシチリアとナポリに遠征した G.ガリバルディと対抗しつつ 10月に南イタリアを併合,イタリアの統一と独立に貢献した。 61年3月イタリア王国の成立が宣言されて初代首相に任じられたが,山積する課題を残して6月に急死した。
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カブール
Kabul
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デジタル大辞泉
カブール(Camillo Benso conte di Cavour)
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カブール(Kabul)
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世界大百科事典 第2版
カブール【Camillo Benso conte di Cavour】
イタリアの政治家。サルデーニャ王国首相としてイタリアの統一を達成し,イタリア王国の初代首相となる。トリノの名門貴族の出。士官学校を卒業後16歳で工兵士官となる。しかしカブール家の開明的な雰囲気のなかで育った彼には,当時の軍隊の保守的な空気は肌に合わず,1831年職を辞し,翌年ベルチェリ地方で父親が所有する大農場の経営に着手。その後のカブールの生き方に大きな影響を与えたのは,幾度かの外国旅行のうちでも特にイギリスとフランスにおける工場制度,鉄道,自由主義との出会いであった。
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精選版 日本国語大辞典
カブール
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カブール
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旺文社世界史事典 三訂版
カブール
Kabul
盆地の中央にあり,インダス川の支流に沿う。東はインド,北は中央アジア,西はイランに通じる商業交通の要地。このためアレクサンドロス大王・チンギス=ハン・ティムールらの侵入を受けた。ガズナ朝・アフガン系諸王朝の都となり,イスラーム化が進行した。
出典:旺文社世界史事典 三訂版
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