●カルスト地形【カルストちけい】
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
カルスト地形
カルストちけい
karst topography
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デジタル大辞泉
カルスト‐ちけい【カルスト地形】
[補説]スロベニア北西部のクラス(ドイツ語でカルスト)地方に由来する。
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世界大百科事典 第2版
カルストちけい【カルスト地形 karst landform】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
カルスト地形
かるすとちけい
石灰岩地域に発達する特殊な侵食(溶解侵食=溶食)地形の総称。この名称は、スロベニア北西部カルスト地方に多く分布することに由来する。これは、石灰岩の主成分である炭酸カルシウムが、炭酸ガスを含んだ雨水や地下水に溶解されてつくられる、鍾乳洞(しょうにゅうどう)、ドリーネ、ウバーレ、ポリエ、カレンフェルトなどの特殊な地形のことをいう。
溶食を原因とするカルスト地形は、石灰岩層が薄かったり、寒冷で乾燥した地域においては発達しがたい。適度に降水量のある地域では、雨が石灰岩中の割れ目に浸透してしだいに溶解し、地中に水の通路を縦横につくる。このときからカルスト地形の一連の系統的な溶食過程を経た地形変化がみられるが、これをカルスト輪廻(りんね)という。
[三井嘉都夫]
カルスト輪廻
石灰岩地域で溶食が始まる以前の地形を原地形とすると、石灰岩中の割れ目の部分が溶食され、その上部が陥没して表面にドリーネとよばれる円形の凹地(おうち)が形成される時期が幼年期である。ドリーネが発達して隣接するドリーネを結合して大きな凹地のウバーレをつくり、さらに凹地が拡大するとポリエとなる。さらに溶食が進むと石灰岩の表面に多くの溝(みぞ)が生じ、これが発達するとカレンフェルトができる。ここまでが壮年期である。なおも溶食が進むと錐(きり)形にとがった丘陵状の地形コックピットがつくられるが、これらの残丘群もやがては低まり、盆地床に続くなだらかな起伏地となる。このような状態が老年期である。
ドリーネ、ウバーレ、ポリエなどの底部は肥沃(ひよく)なテラロッサとよばれる土壌で覆われ、耕地や集落に多く利用されている。カルスト地形は、外国ではバルカン半島、中国の雲南省などに多く分布している。日本では広大なカルスト地形は乏しいが、山口県秋吉台、福岡県平尾台、広島県帝釈(たいしゃく)台、愛媛県大野ヶ原などに発達している。
[三井嘉都夫]
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精選版 日本国語大辞典
カルスト‐ちけい【カルスト地形】
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