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ガラム・マサラ【がらむまさら】

日本大百科全書(ニッポニカ)

ガラム・マサラ
がらむまさら
garam masala
北インドでは、昔からヒンディー語の「辛い混合物」という意味をもつガラム・マサラを香辛料として料理に使っている。いわゆるインドのおふくろの味で、それぞれの家庭の好みに合わせて芳香性のスパイスや辛味性のスパイスが混合されているので、家庭の数だけいろいろな香味のガラム・マサラが存在し、標準的レシピというものはない。一般的には3~10種類のスパイスを混ぜて作られ、芳香性スパイスとしてはナツメグ、カルダモン、クローブ、シナモン、クミン、コリアンダー(コエンドロ)など、辛味性スパイスとしてはジンジャー、ブラックペパー、レッドペパー、ガーリックなどが使われている。ガラム・マサラはカレー粉と違い、調理の終わりごろに加えられるのが普通であるが、各家庭ではもっとも多目的に使えるもので、使い方はいくつもあり、調理中に使ったり、料理が出来上がってから香りをつけるためにかけたりもする。
 インドでは料理のたびにスパイスを焙煎(ばいせん)、剥皮(はくひ)、水漬(みずづけ)など各スパイスごとにさまざまな前処理をした後に、石臼で砕き混ぜ合わせて毎日の料理に用いてきた。このように調理準備が大変なので、貯蔵ブレンド・スパイスであるガラム・マサラが発達し、商品としても売られるようになってきたのである。北インドの地方では粉末(パウダー)混合物が多く、南インドではペースト状のものが多くみられる。ガラム・マサラは各家庭で粒のままのスパイスを買い、家で粉に挽いて好みに合わせて混合し、瓶に密閉して保存しておくのが一番よい方法である。ガラム・マサラはインド料理の万能ブレンド・スパイスであるが、カレー粉とは違い配合処方の基準がなく、共通するカレー・フレーバーやターメリックの黄色などはなく、千差万別である。それだけにインドのいろいろな料理に応用できる万能調味料といえるものである。[齋藤 浩]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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