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クレマチス

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

クレマチス
Clematis; clematis
植物学ではキンポウゲ科センニンソウClematisの属名で,北半球の温帯を中心に 250種があり,いずれもつる性の多年草である。日本に自生する種はセンニンソウ C. paniculataをはじめ 10種あまりがある。この属の植物のうち花が大きく観賞用に栽培されるテッセン C. floridaやカザグルマ C. patens,それに西アジアからヨーロッパに原産する C. viticellaC. lanuginosaなどをもとに改良された多くの園芸品種を単にクレマチスの名で呼ぶことが多い。カザグルマは日本に自生し,花は通常白または紫色で,豊かな8枚の花弁状萼片があり,テッセンは中国大陸原産で背丈はやや低く,花弁状片は6枚である。いずれも改良によって八重咲き大輪の品種があり,花色もさまざまで花径も 10cmをこえるものがある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵

クレマチス
キンポウゲ科センニンソウの、多くはつる性で木質になる多年草または小低木。全世界の温帯を中心に200種以上あるとされ、園芸価値の高いものも多い。イングリッシュガーデンのブームで、クレマチス・モンタナが壁や玄関から屋根へと這い上がる見事な写真が紹介され、多様な園芸品種苗の入手も容易になったことから、日本でも愛好家が増えている。日本には中部以南に、カザグルマという白または淡紫色の花を咲かせる種がある。花の直径は約10cmでクレマチスの中でも大輪であることから、園芸品種の元になった原種の1つとされている。中国の中部に分布するテッセンは日本にも古く導入された種類で、これも園芸品種の元になった原種の1つ。
(森和男 東アジア野生植物研究会主宰 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

デジタル大辞泉

クレマチス(〈ラテン〉Clematis)
キンポウゲ科センニンソウ属の(つる)植物総称。園芸上は、カザグルマ・テッセンや外来園芸品種など大輪の四季咲きのものをさす。

出典:小学館
監修:松村明
編集委員:池上秋彦、金田弘、杉崎一雄、鈴木丹士郎、中嶋尚、林巨樹、飛田良文
編集協力:田中牧郎、曽根脩
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世界大百科事典 第2版

クレマチス【virgin’s‐bower】
キンポウゲ科センニンソウ属Clematisのつる性多年草(イラスト)。この属は世界の温帯地方で200種以上あり,なかでも園芸的にクレマチスと総称されるものは中国産のテッセンC.florida Thunb.,ラヌギノーサC.lanuginosa Lindl.や日本産カザグルマC.patens Morr.et Decne.,およびこれらの種が関係した交配種であることが多い。 観賞用のクレマチス類は寒さに強く,つる丈2~3m。

出典:株式会社平凡社
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日本大百科全書(ニッポニカ)

クレマチス
くれまちす
[学] Clematis

キンポウゲ科(APG分類:キンポウゲ科)センニンソウ属の総称。常緑または落葉性の藤本(とうほん)(つる植物)で、茎は細く、葉柄が曲がって他物に絡みつく。葉は一般に3~9枚の小葉からなる複葉。花は4~8枚の花弁状の花被(かひ)、多数の雄しべ、多数の離生心皮からなる雌しべがある。果実は痩果(そうか)で、先に花期後伸長した羽毛状の花柱がある。世界の温帯を中心に熱帯から亜寒帯に広く分布し、300種ほど知られる。日本にはカザグルマ、クサボタン、センニンソウ、ハンショウヅルなど25種が分布する。

 園芸上でクレマチスといわれるものにC. lanuginosa Lindl.(藤(ふじ)色の8弁花)などがある。テッセンC. florida Thumb.は白色の6弁花で中央に多数の雄しべがある。カザグルマC. patens Moor. et Decne.は白、藤、紫色の8弁花で多花性。C. viticella L.は紫色の4弁花。キダチテッセンC. integrifolia L.は淡紫色で4弁の小花をつける。これら数種類の交雑によって多くの品種がヨーロッパで作出され、現在は各国で品種改良が進められている。

 おもな園芸品種としては、紫色系のザ・プレジデント、白王冠、江戸紫などのほか、青色系の藤娘、ラザー・スターン、紅色系のクリムソン・キング、桃色系のコンテス・ド・ボシャール、覆色系や黄色系の原種であるタングチカなどがある。これらの品種は支柱に絡ませてつくるが、近年は支柱のいらない半つる性で鉢植えに適した品種(「たてしな」など)もつくられている。

[金子勝巳 2020年3月18日]

栽培

繁殖は挿木、接木(つぎき)とも可能であるが、近年はほとんど挿木で殖やす。挿木の適期は6~8月で、開花後に伸びた新梢(しんしょう)を2~3節のところで切り、鹿沼土(かぬまつち)や「ピートモス」「パーライト」などに挿す。生育適温は20~25℃で、夏の高温にはとくに弱いので西日の当たらない半日陰で風通しのよいところで育てる。鉢植えは風通しのよい木陰で夏を越させるとよい。耐寒性は非常に強く、冬越しは容易である。用土は、有機質に富んだ肥沃(ひよく)で保水力が強く排水のよいものがよい。多肥栽培でよく成長する。花期後は花がらを摘み取り、枝をやや切り詰めると新梢が発生し、よい花をつける。

 クレマチスはネマトーダ(線虫類)の被害に弱く、生育が害され枯死することもあるので、定植前にかならず殺ネマトーダ剤で消毒する。また高温期には立枯病が多発生しやすいので、高温に当てないようにする。

[金子勝巳 2020年3月18日]

文化史

テッセンは中国原産で、日本へは15世紀後半までに渡来していた。室町時代の『黒本節用集(くろほんせつようしゅう)』や『文明本(ぶんめいほん)節用集』に鉄線花の名で載る。カザグルマは日本原産で、元禄(げんろく)時代には品種分化がみられ、『花壇地錦抄(かだんちきんしょう)』(1695)に白、薄紫、瑠璃(るり)色と八重咲きが記録されている。ヨーロッパには、19世紀の初めにシーボルトがテッセンを伝えた。また1830年代に、イギリスのヘンダーソンによって交雑育種が開始され、品種改良が進んだ。

[湯浅浩史 2020年3月18日]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

クレマチス
〘名〙 (clematis) キンポウゲ科センニンソウ属の属名。また同属植物の総称。世界の温帯地方に一五〇~二〇〇種分布し、日本にもセンニンソウ、ハンショウヅル、テッセン、カザグルマなどがある。園芸上は、鉢植え・花壇・切り花用に栽培される大輪咲きの種類や、カザグルマテッセンの改良品種をさしていう。

出典:精選版 日本国語大辞典
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