●クレータ
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
クレータ
crater
一般に噴火口や爆弾穴を意味するが,月面や火星にある大小無数の丸い凹孔をクレータと呼ぶ。環状山ともいう。月のクレータには,直径 200kmをこえる巨大なものから,直径数 cmという微小なものまであり,直径 1km以上のものだけでも,数十万個は下らないといわれる。それ以下の微小クレータは,文字どおり無数である。これらのクレータの成因として,いままで対立する2つの説が唱えられてきた。1つは,月の火山が噴火した跡という火山説。もう1つは隕石説で,宇宙を飛んでいる隕石が,大気のない,むきだしの月面に激突して穴をうがったという見方である。実際に地上に掘られたアリゾナの隕石孔などの直径と深さとの関係が,月の凹孔に驚くほどよく似ている。現在では隕石によるもの,火山によるもの,ガスの噴出によるものなど,いろいろな原因のものがあるとみられている。火星表面,その2つの衛星,また水星表面,木星の衛星ガニメデやカリストにも多数のクレータが存在する。
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