●グノーシス主義【グノーシスしゅぎ】
世界大百科事典 第2版
グノーシスしゅぎ【グノーシス主義 Gnosticism】
キリスト教と同時期に地中海世界で興った宗教思想運動。〈グノーシスgnōsis〉はギリシア語で知識を意味するが,ヘレニズム宗教思想の場合意味が限定され,人間を救済に導く究極の知識をさす。グノーシス主義もこの流れに属するが,それと別に既成の世界に対する鋭い批判を含んでいる。この思想運動は後1世紀のローマ帝国辺境に興り,2~3世紀に最盛期を迎える中で次々と新しいセクトを生んだ(ただし,しばしば誤解されるようにキリスト教の分派〈異端〉としてではなく,独立に成立した)。
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