@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

グリオキシル酸回路【グリオキシルさんかいろ】

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

グリオキシル酸回路
グリオキシルさんかいろ
glyoxylic acid cycle
アセチルコエンザイムA (アセチル CoA) の代謝経路の一つ。高等植物のグリオキシソーム細胞器官および微生物にみられる。アセチル基 ( C2 ) をもつアセチル CoAは,まずオキサロ酢酸 ( C4 ) と反応してクエン酸 ( C6 ) を生じ,次いでコハク酸 ( C4 ) とグリオキシル酸 ( C2 ) に開裂する。グリオキシル酸はもう1分子のアセチル CoAと反応し,リンゴ酸 ( C4 ) を経て出発物質のオキサロ酢酸に戻る。リンゴ酸からオキサロ酢酸への過程で補酵素 NAD+ の還元を伴うので,回路の反応収支は 2アセチルCoA+NAD+コハク酸+NADH+2CoA となる。コハク酸はミトコンドリアに運ばれてクエン酸回路オキサロ酢酸に変るので,結局,アセチル CoA2分子のアセチル基からオキサロ酢酸1分子ができることになる。アセチル CoAは脂肪酸のβ酸化によって,また,酢酸からアセチルリン酸を経ても生じるので,この回路は脂肪酸と酢酸の代謝経路とみなせる。植物では,発芽に際して貯蔵脂肪の利用時に,微生物では,酢酸を炭素源とするときに,この回路の酵素群の活性が上昇する。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

法則の辞典

グリオキシル酸回路【glyoxylate cycle】
植物や微生物に存在し,酢酸を炭素源およびエネルギー源として利用するための代謝経路である.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

栄養・生化学辞典

グリオキシル酸回路
 植物,微生物にみられる代謝経路で,この経路があると脂肪酸からグルコースを作ることができる.

出典:朝倉書店
Copyright (C) 2009 Asakura Publishing Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

グリオキシルさんかいろ【グリオキシル酸回路 glyoxylate cycle】
微生物から高等植物にまで存在する代謝経路。酢酸を炭素源あるいはエネルギー源として利用する場合に働く。たとえば種子の発芽に際して,貯蔵脂肪に由来する脂肪酸をアセチルCoAに分解し,この回路で代謝を行う。図に示すように,イソクエン酸はまずコハク酸とグリオキシル酸に分解し,次にグリオキシル酸はアセチルCoAと縮合してリンゴ酸を生じる。この反応はクエン酸回路の一部と組み合わされ,リンゴ酸は酸化されてオキサロ酢酸となる。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

日本大百科全書(ニッポニカ)

グリオキシル酸回路
ぐりおきしるさんかいろ
glyoxylate cycle
微生物と植物にだけ存在する代謝経路。微生物が酢酸だけを炭素源およびエネルギー源として生育するときや、植物の脂肪種子が発芽する際に用いる合成経路で、1957年H・A・クレブスらによって提唱された。クエン酸回路(TCA回路ともいう)の一部と類似した環状の経路で、この回路のなかに2分子の酢酸が取り込まれ、回路を1回転すると1分子のコハク酸が生成される。酢酸を炭素源とする細菌では、この経路によって糖をつくりだし、さらに生体構成物質をつくる。
 高等植物では、脂肪を貯蔵物質とする種子が発芽する際にこの経路の酵素群が発現して貯蔵脂肪が糖に変えられ、これから生体成分がつくられる。この回路の酵素はβ(ベータ)‐酸化系の酵素とともにグリオキシゾームという細胞内の顆粒(かりゅう)に局在し、発芽初期に活性が高くなるが、発芽後期には活性が減少する。[吉田精一]
 グリオキシル酸回路はTCA回路と共有する経路をもち、TCA回路の側路となる。TCA回路の場合、アセチル補酵素Aのアセチル基(CH3CO-)の2個の炭素原子は2分子の二酸化炭素になってしまうが、グリオキシル酸回路の場合は、アセチル基2個を取り込んで炭素原子4個からなるコハク酸が生ずる。このコハク酸はさらに変化を受けて糖やアミノ酸になる。脂肪もアセチル補酵素Aにまで分解されてからこの回路に入る。高等動物にはこの回路がないので、脂肪から糖をつくりだすことはできない。[飯島康輝]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

グリオキシル酸回路」の用語解説はコトバンクが提供しています。

グリオキシル酸回路の関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation