●グリス
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
グリス
Gris, Juan; José Vittoriano González
[没]1927.5.11. ブーローニュシュルセーヌ
スペインの画家。マドリードの美術学校に学び,1906年パリに出てピカソ,G.ブラック,G.アポリネールらと交わり,12年からキュビスム的絵画を描くようになる。アンデパンダン展に初出品,「セクシオン・ドール (黄金分割) 」のグループにも参加。 22年以来ブーローニュに定住,数年後病気で早逝。キュビスムの画家のなかでも,特に透明な物体を重ね合せたような構図が特色。
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デジタル大辞泉
グリス(Juan Gris)
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グリス(grease)
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世界大百科事典 第2版
グリス【Juan Gris】
スペイン出身のキュビスムの画家。本名ゴンサレスJosé Victoriano González。生地マドリードでアール・ヌーボーの影響を受けた後,1906年パリに出て〈洗濯船〉に住む。10年,セザンヌやピカソの影響のもとに本格的に絵画の制作を開始する。〈セザンヌは1個の壜から円筒形を作ったが,私は円筒形から1個の壜を作る〉というように,彼の絵画は造形の理念から出発するもので,造形意識のうえでは抽象芸術に近い。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
グリス
ぐりす
Juan Gris
(1887―1927)
スペインの画家。本名José Victoriano González。マドリード生まれ。美術工芸学校中退後、ユーゲント様式風の挿絵を描く。1906年パリに出てモンマルトルの丘の画室長屋「洗濯船」に住み、ピカソらのスペイン人画家や詩人、批評家を知る。雑誌に挿絵を描いたのち、10年から本格的に絵画に専念。ピカソ、ブラックの影響を受けたが、分析的キュビスムの時代においても、『ピカソの肖像』(1912)にみられるように、その緩やかな形態分析、落ち着いた画面構成、色彩の使い方において独得の個性を保った。12年の夏パピエ・コレの技法を採用、秋に第1回セクション・ドール展に参加後は、著述活動もするなど、総合的キュビスムの指導者の一人となった。この時代の代表作に『本、パイプ、コップのある静物』(1915)がある。しかし20年に健康を害し、27年、尿毒症のため早逝した。
彼のキュビスムは、対象分析よりも色彩による画面構成に関心をもつ時代(1915~17)を経て、形態の抽象化をさらに進め、対象から出発して構成に至る分析的方法とは逆の、構成から出発して対象に至る方法、彼自身のことばによると「円筒形から瓶をつくる」方法で、重厚で静謐(せいひつ)、誠実さと詩情の漂う作品を達成した。『ギターと楽譜』(1926)にはその成果がみられる。
[神吉敬三]
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