●グンドゥリッチ
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
グンドゥリッチ
Gundulić, Ivan
[没]1638.12.8. ドゥブロブニク
クロアチアの詩人。アドリア海の港ドゥブロブニクに栄えた中世文学の劇詩人で,イタリアのルネサンス文学の影響下に開花した地方文学のドゥブロブニク文学の代表者。 L.アリオストや T.タッソの作品の翻訳も多いが,大部分は紛失して題名が残るのみである。聖書に取材した教訓詩『放蕩息子の涙』 Suze sina razmetnoga (1622) ,牧歌劇『ドゥブラフカ』 Dubravka (28初演) などにはバロックの影響が認められる。代表作は,ヨーロッパの征服を企図しながらポーランド軍に敗れたオスマン帝国皇帝を主人公とした未完の叙事詩『オスマン』 Osman。
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世界大百科事典 第2版
グンドゥリッチ【Ivan Gundulić】
ユーゴスラビアの詩人。ダルマツィア海岸の美しい城砦都市ドゥブロブニクの出身で,終生そこで過ごした。貴族として元老院議員や裁判官をつとめる一方,ルネサンス精神にあふれた詩を次々と発表。古典的神話を主題にしたり,反宗教改革的な宗教詩を創作したあと,愛国的な田園詩《ドゥブラブカ》(1628),ホチム(ホーチン)戦役でトルコ軍に大勝したポーランド人をたたえた叙事詩の傑作《オスマン》(未完)を書く。【田中 一生】
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日本大百科全書(ニッポニカ)
グンドゥリッチ
ぐんどぅりっち
Ivan Gundulić
(1589―1638)
クロアチア、ダルマチアの詩人。バロック・スタイルのドゥブロブニク文学の代表者。ホチムの戦い(1621)とオスマン2世の死を描き、オスマン帝国の崩壊と南スラブ民族の解放を予見した大叙事詩『オスマン』(1626)は未完ながら傑作の誉れが高い。自由の賛歌と評される牧歌劇『ドゥブロフカ』(1628)、深い内面性をもつ宗教詩『放蕩(ほうとう)息子の涙』(1622)も名作。
[栗原成郎]
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