@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

グーツヘルシャフト

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

グーツヘルシャフト
Gutsherrschaft
農場領主制と訳される。 15~16世紀以降,典型的にはエルベ川以東のドイツに成立した土地所有の形態。領主が広大な直営地 Gutを所有し,領民である農民賦役労働によって経営しつつ,農民のうえに強い支配を確立する。その特色は領主が市場向けの穀物生産を行い,商業利潤の獲得を目指す点にある。農民の領主に対する隷属関係は,土地緊縛や,農民がその子弟を下僕として領主に差出す義務,その他を内容としていた。 18世紀以来賃金農業労働者にも用いられ,19世紀初頭プロシア改革により,農奴制に立脚する農業経営としてのグーツヘルシャフトは消滅するが,農場主たる貴族 (ユンカー) の社会的,政治的な特権はその後も長く維持された。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

世界大百科事典 第2版

グーツヘルシャフト【Gutsherrschaft】
16世紀から19世紀初頭までエルベ川以東のドイツで支配的な領主制であり,同様なタイプは広く東ヨーロッパ地域においても認められる。F.エンゲルスはこれを再版農奴制die zweite Leibeigenschaftと表現し,日本では農場領主制と訳されることもある。この領主制下では農民はラスベジッツLassbesitzというきわめて劣悪な土地保有権のみをもち,領主に人格的に隷属し所領に緊縛されている農奴あるいは世襲隷民Erbuntertanであった。

出典:株式会社平凡社
Copyright (c) Heibonsha Limited, Publishers, Tokyo. All rights reserved.

大辞林 第三版

グーツヘルシャフト【Gutsherrschaft】
一五、六世紀以来エルベ川以東の東部ドイツに形成された大農場制度。領主が直営地を拡大し農民に賦役労働で輸出穀物を生産させた。プロイセンの封建制強化の経済的基盤となり、一九世紀まで存続。

出典:三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)

グーツヘルシャフト
ぐーつへるしゃふと
Gutsherrschaftドイツ語
15、16世紀以降エルベ川以東の東部ドイツに発達した領主制の特殊形態。広大な領主農場の存在と領主(グーツヘル)によるその直接経営、村落農民に対する領主の排他的支配を特徴とする。領主は自己の農場を農民の賦役労働によって経営し、市場向けの農業生産を行ったが、農民に対する領主の支配はきわめて強固かつ封建的で、農民は土地を与えられてはいたが領主の許可なしには土地を離れられず、職業選択や結婚の自由もなく、またその子女は僕婢(ぼくひ)として領主のもとで働く義務を負っていた。反面、領主には農民を保護する義務があったが、世襲的に領主に隷属する農民は、その土地保有権にも十分な保障がなく、つねに領主による土地収奪の危険にさらされていた。このような領主―農民関係は、土地領主権のみならず、他のさまざまの支配=保護権(裁判権、警察権、また村長任命権や教会保護権)を領主が一手に掌握したことにより実現され、かつ維持されたものであり、したがってグーツヘルシャフトは、それ自体小規模ながら「国家内の国家」ともいうべき完結した支配領域を形づくっていた。18世紀以降、国家の農民保護政策が領主の支配に制限を加え、また農業労働者による資本主義的農業経営が広まるにつれて、旧来の領主―農民関係は変質を迫られる。そして19世紀の農民解放立法によって、グーツヘルシャフトは解体の過程に入るのである。[坂井榮八郎]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

旺文社世界史事典 三訂版

グーツヘルシャフト
Gutsherrschaft (ドイツ)
近世初期のプロイセンを中心に形成された農業土地制度または領主的大農場経営
12〜13世紀に東方植民によりエルベ川以東に移住した農民たちは,当初自由だったが,15〜16世紀に領主支配が強化された。領主は直営地を拡大し,農民の賦役 (ふえき) によってこれを経営し,穀物の生産を増大させた。農民は領主への隷属関係を強められ,農奴制が解体しつつあった西欧とは逆に,農奴となっていった。いっぽう,領主は大土地所有者となり,ハンザ同盟の諸都市へ穀物を供給して商業利潤を得た。この制度は1807年の農民解放により解体して,ユンカーの経営に移行した。

出典:旺文社世界史事典 三訂版
執筆者一覧(50音順)
小豆畑和之 石井栄二 今泉博 仮屋園巌 津野田興一 三木健詞
 
Copyright Obunsha Co.,Ltd. All Rights Reserved.
それぞれの項目は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

グーツヘルシャフト」の用語解説はコトバンクが提供しています。

グーツヘルシャフトの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation