●コット
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
コット
Kott, Jan
[没]2001.12.22. サンタモニカ,カリフォルニア
ポーランドの演劇学者,文芸評論家。 1936年ワルシャワ大学卒業。第2次世界大戦中は地下活動に加わり,ナチスに抵抗。戦後はワルシャワ大学教授として教鞭をとるかたわら,サルトル,イヨネスコらの戯曲を翻訳。 1961年に『シェークスピア論集』 Szkice o Szekspirzeを出版。これが『シェークスピアはわれらの同時代人』という題でフランス語に翻訳され (1962) ,ヨーロッパに紹介されたため,大きな反響を呼んだ。シェークスピアの作品のなかにある不条理性を指摘したもので,ロイヤル・シェークスピア劇団が上演した P.ブルック演出の『リア王』 (1962) ,P.ホール演出の『バラ戦争』 (1963) をはじめ,1960年代中頃から全世界的な傾向となったシェークスピア劇の現代的解釈と演出は,コットの著書の影響によるところが多い。 1966年アメリカに渡り,エール,カリフォルニア,ニューヨークの各大学で教える。ほかに演劇評論集『演劇ノート』 Theatre Notebook 1947-1967 (1968) ,ギリシア劇を論じた『神々の肉の宴』 The Eating of the Gods (1973) がある。
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コット
cotte
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デジタル版 日本人名大辞典+Plus
コット Cotte, Joseph
1875年8月25日生まれ。小泉八雲の著作をよんで日本にあこがれ,明治41年(1908)来日。東京帝大でラテン語,古典文学などをおしえる。大正2年東京神田にアテネ-フランセを創立した。昭和24年5月23日東京で死去。73歳。リヨン大卒。
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世界大百科事典 第2版
コット【cotte】
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コット【Jan Kott】
アメリカの演劇学者。ポーランドのワルシャワに生まれ,パリに学んでシュルレアリスムの影響を受けた。第2次大戦前後はマルクス主義者として評論を発表。その後実存主義に近づき,シェークスピア劇を現代の政治や哲学を手がかりに理解した《シェークスピア論集》(1961。後に《シェークスピアはわれらの同時代人》と改題)によって,1960年代のシェークスピア上演や解釈に世界的影響を与えた。他の著作にはギリシア悲劇を構造主義や文化人類学によって理解した《神々の肉の宴》(1973)がある。
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日本大百科全書(ニッポニカ)
コット
こっと
Jan Kott
(1914―2001)
ポーランド出身のアメリカの演劇学者。超現実主義やマルクス主義に接したのち、シェークスピア劇を実存主義的に解釈した『シェークスピア論集』(1961。のちに『シェークスピアはわれらの同時代人』と改題)によって世界的名声を得た。この本は旧来のロマンチックなシェークスピア上演に対する批判の理論的根拠となり、ピーター・ブルックなどの演出家に大きな影響を与えた。ほかの著作には、ギリシア悲劇をやはり現代的に解釈した『神々の肉の宴(うたげ)』(1973)、戦中から戦後にかけての波瀾(はらん)に富んだ人生の回想録『私の物語』(1990)などがある。
[喜志哲雄]
『蜂谷昭雄・喜志哲雄訳『シェイクスピアはわれらの同時代人』新装版(1992・白水社)』▽『関口時正訳『私の物語』(1994・みすず書房)』▽『坂倉千鶴訳『カディッシュ タデウシュ・カントルに捧ぐ』(2000・未知谷)』
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