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ゴードン(Douglas Gordon)【ごーどん】

日本大百科全書(ニッポニカ)

ゴードン(Douglas Gordon)
ごーどん
Douglas Gordon
(1966― )

イギリスの美術家。スコットランド中部のグラスゴーに生まれる。1984年から88年までグラスゴー美術学校、88年から90年までスレイド美術学校に学ぶ。93年映像作品『24時間サイコ』を発表、同作品で96年にターナー賞を受賞した。

 1990年代の美術界における顕著な傾向として、多くの現代美術作家が映像作品を手がけたが、ゴードンの『24時間サイコ』はそうした時代の代表的な作品にあげられる。この作品はアルフレッド・ヒッチコック監督の映画『サイコ』(1960)のビデオを、1秒間に約2コマのスロー・モーションで再生するだけのインスタレーションである。テレビ、ビデオの映像は、日本や北米では1秒間に約30コマ、ヨーロッパでは25コマである。そのため1秒2コマの再生スピードは、静止画とも動画とも決めづらい曖昧な映像に感じられ、映画とはまったく違った印象を観る者に与える。

 ビデオ・インスタレーション作品には、このほかにも映画『ジキル博士とハイド氏』(1931。ルーベン・マームリアンRouben Mamoulian (1898―1987)監督)を素材に使った『正義の罪人の告白』(1995)や、映画『エクソシスト』(1973。ウィリアム・フリードキンWilliam Friedkin(1939― )監督)と第二次世界大戦中に制作された、ルルドの泉の奇跡を描いたジェニファー・ジョーンズJennifer Jones(1919―2009)主演の映画『聖処女』(1943。ヘンリー・キングHenry King(1896―1982)監督)を対比する『闇と光のあいだに(ウィリアム・ブレイクの後で)』(1997)などがある。

 『24時間サイコ』の成功以降、映像の作家であると紹介されることが多いゴードンだが、もともとはコンセプチュアル・アートに関心が強かった。短いメッセージを電話などを介して匿名で伝えた記録を展示する『インストラクション』(1994)や、壁に反対語を描いていく『タイトルなしのテキスト(ここでない他の場所のために)』(1996)など文字や言葉を使った作品も多い。97年ベネチア・ビエンナーレで2000年賞、98年グッゲンハイム美術館とドイツの服飾メーカーのヒューゴ・ボスによって設立されたヒューゴ・ボス賞を受賞。

[野々村文宏]

『市原研太郎著「セルの中の対話――ダグラス・ゴードン インタビュー」(『美術手帖』2001年6月号所収・美術出版社)』『Douglas Gordon (catalog, 1999, Centro Cultural de Belem, Lisbon)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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