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サイボーグ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

サイボーグ
cyborg
アメリカの M.クラインズが 1960年頃につくったサイバネティクス・オーガニズムの短縮語。意識的に機械を操作して動かさなければならない普通の人間-機械系とは違って,特に意識的に働かさなくても,完全に人体と一体化して動作してくれるような機械と生体との結合体をいう。傷病のために正常の機能を失った人に義肢人工臓器,感覚代行装置などをつけて正常機能を回復させる医療サイボーグ,正常な人にさらに装置を取付けて正常人以上の働きをさせるスーパーマン・サイボーグ (宇宙服を着た宇宙飛行士,フロッグマン,軍事用サイボーグなど) がある。

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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デジタル大辞泉

サイボーグ(cyborg)
cybernetic organismから》宇宙空間海底などの特殊な環境に順応できるように、人工臓器でからだの一部を改造した人間。改造人間。

出典:小学館
監修:松村明
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世界大百科事典 第2版

サイボーグ【cyborg】
サイバネティック・オーガニズムcybernetic organismを縮めた名称。身体器官の一部を人工物に置きかえることにより,宇宙空間や深海底など異質の環境下で活動できるよう医学的に改造された生物を指す。この名称は1960年にクラインズM.Crynesにより提唱され,〈意識せずとも完全な平衡調節系として働く体外的に拡張敷衍された有機的複合体〉と定義される。現実には,生物の機能拡大という当初の積極的な意図は薄れ,主として人間の機能欠損を補てんする義肢や人工器官など医療サイボーグが研究の主流となっている。

出典:株式会社平凡社
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大辞林 第三版

サイボーグ【cyborg】
cybernetic organism から
生物に、生物本来の器官同様、特に意識しないでも機能が調節・制御される機械装置を移植した結合体。宇宙空間のような生物体にとっての悪環境下での活動のために発想されたが、その後、電子義肢・人工臓器など、医療面での研究が進められるようになった。

出典:三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)

サイボーグ
さいぼーぐ
cyborg
人間と機械が一体となり、意識することなしに機械が自律的調節系として働く、人間‐機械統合体のこと。[新藤克己]

サイボーグの由来

アメリカのマンフレッド・E・クラインズManfred E. Clynes(1925― )とネイザン・S・クラインNathan Schellenberg Kline(1916―83)は1960年に著したCyborgs in Space(宇宙のサイボーグ)のなかで、人間の肉体の各部分を人工機器に置き換えることによって、人間が宇宙空間で生きていけるようにするという概念を提唱した。そのなかでクラインズは、1948年にアメリカの数学者ノーバート・ウィーナーによって提唱された、生物、機械装置の区別なくそれぞれの制御・通信系の問題を扱う科学の一分野であるサイバネティックスの理論に基づいて、生物と機械装置の結合体をサイバネティック・オーガニズムcybernetic organismと名づけ、縮めてサイボーグとよんだ。
 当初サイボーグは、人間にさまざまな装置を取り付けることによって、通常の人間以上の働きをさせるスーパーマン・サイボーグとして考えられた。しかし現実には、病気・外傷・加齢などによって欠陥が生じた人体に人工装置を取り付けて、正常な働きを回復させる医療福祉的サイボーグが研究の中心となっている。しかし、これらの装置は、人体の調節・制御システムと一体になって人体の生理機能の安定性を維持すること(生理的ホメオスタシス)が理想であり、補助器具としての義手や義足、あるいはコンタクトレンズをつけた人間をサイボーグとよぶのは無理がある。現在、神経と機械装置を直結し、電気信号のかたちで脳に直接情報を送り込んだり取り出したりすることによって、義手や義足を意のままに動かしたり、失われた視力を取り戻す研究が進められているが、この技術が確立すれば本来の意味におけるサイボーグが誕生することになる。[新藤克己]

メディアに登場するサイボーグ

文学や視聴覚メディアの世界において、サイボーグは魅力ある素材としてしばしば取り上げられている。日本では、サイボーグということばができてわずか4年後の1964年(昭和39)に『サイボーグ009』(石ノ森章太郎原作)というシリーズ漫画が登場した。この作品はその後66、67、80年にアニメ映画化され、68年と79年にはテレビアニメとして放送された。同じ作家による『仮面ライダー』は、71年に連載漫画として登場するとともにテレビドラマ化され、続編がたくさん制作された。アメリカでは74年に元宇宙飛行士がサイボーグ手術を受け、サイボーグ・スパイとして活躍するテレビドラマ『600万ドルの男』が制作され、その続編として女性サイボーグを主人公とした『バイオニック・ジェミー』がつくられた。87年には映画『ロボコップ』が公開され、続編もつくられた。これらの作品を含めて、小説や映画に登場するサイボーグの多くには、機械によって超人化された自分という存在に嫌悪感や劣等感を抱く傾向がみられる。彼らは、自分は人間ではなく化物の一種だと悩むのである。しかしサイボーグということばができた1960年にアン・マキャフリーAnne MacCaffrey(1926― )が書いた『歌う船』の主人公ヘルバは違う。少女ヘルバは、16歳のときにその頭脳だけを取り出し、大型ロケットに制御装置として搭載されたサイボーグ宇宙船だが、悩んだすえに自分がサイボーグであることを積極的に受け入れるようになる。ただし、そのためには専門の心理学者によるカウンセリングや教育が必要であった。
 1980年代になると、コンピュータの発達とあいまって、コンピュータと人間の神経が直結されて両者が融合した結合体や、そういうものが普通に存在する世界を主題とした小説がいくつも登場し、サイバーパンクとよばれるようになった。その後のコンピュータの急速な進化により、コンピュータによってつくられた仮想空間を舞台に、そこで繰り広げられる仮想(バーチャル)の人物の物語が創作された。しかし映画『マトリックス』(1999)に代表されるこの種の作品の登場人物は、生物と機械装置の結合体であるにもかかわらず、なぜかサイボーグとよばれることはまずない。サイバーワールドの住人として存在するかぎりにおいては、何かと何かの融合体ではなく、一個の独立した存在だからだろう。[新藤克己]
『D・S・ハラシー著、桜井靖久訳『サイボーグ』(1968・白揚社) ▽アン・マキャフリー著、酒匂真理子訳『歌う船』(1984・東京創元社) ▽西垣通著『ペシミスティック・サイボーグ――普遍言語機械への欲望』(1994・青土社) ▽永瀬唯著『肉体のヌートピア――ロボット・パワードスーツ・サイボーグの考古学』(1996・青弓社) ▽ダナ・ハラウェイ著、高橋さきの訳『猿と女とサイボーグ――自然の再発明』(2000・青土社)』

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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精選版 日本国語大辞典

サイボーグ
〘名〙 (cyborg (= cybernetic organism の短縮形)) 特殊な環境に順応できるように、人工臓器などで体の一部を改造された生物。完全な機械人形でありながら、人間や動物とそっくりの外見を持つものについてもいう。SF小説などに登場する。また、感情を持たない機械のような人間や、人間技とは思えない能力を発揮する人間をたとえてもいう。
※戦場二二四一年(1963)〈光瀬龍〉「サイボーグが通常人よりもはるかに高い作業能力を持っているということだけで抱く、火のような敵意」
[語誌](1)原語の cyborg は米国の科学者M=クラインズが一九六〇年に提唱したもので、宇宙空間や深海等の異環境の世界で活動できるように、医学的に器官の一部を人工物に置き換えた生物を指す。
(2)日本では、ほぼ同時期に漫画家やSF作家の間で使われるようになり、手塚治虫の「鉄腕アトム」や石森章太郎の「サイボーグ009」などの漫画で、広く知られるようになった。

出典:精選版 日本国語大辞典
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