@niftyトップ

辞書、事典、用語解説などを検索できる無料サービスです。

サイリスタ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

サイリスタ
thyristor
シリコン整流素子に制御電極を付加したもので,制御電極の電圧を変えることによって,電流を制御する機能をもった半導体素子で,4層以上のp-n-p-n構造から成る。小型で長寿命,小さな制御電力で大電力の制御ができ,スイッチング速度が速い,構造が簡単であるなどの特性をもっている。交流大電力の制御,直流への変換に多く使われている逆阻止3端子サイリスタ,電鉄車両や電気自動車の駆動制御に使われる直流チョッパ用の逆導通3端子サイリスタ,トライアックと呼ばれる双方向3端子サイリスタなどがある。特殊なものとして,サイリスタとトランジスタの中間的特性をもつゲート・ターン・オフ・サイリスタ GTO (Gate Turn-Off),光を当てると作動する光起動サイリスタ LASCR (Light Activated Silicon Control Rectifier),その他シリコン・シンメトリカル・サイリスタ SSS (Silicon Symmetrical Switch→双方向性2端子サイリスタ ) ,逆阻止4端子サイリスタ SCS (Silicon Controlled Switch) などがある。 (→SCR )

出典:ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
Copyright (c) 2014 Britannica Japan Co., Ltd. All rights reserved.
それぞれの記述は執筆時点でのもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

知恵蔵

サイリスタ
pnpn接合構造の3番目のp層にゲート電極を付け、スイッチ動作を行わせる半導体素子。この構造では、陽極(p層)と陰極(n層)間の電流‐電圧特性に負性抵抗が現れる。そこで、ゲート電極から流れ込む電流の大きさに従って電流‐電圧特性の動作点を移動することにより、オフ(電流が流れない)状態からオン(電流が流れる)状態への切り替え(スイッチング)を行える。オン状態からオフ状態にするには主電流回路を切る。ゲートによって主電流を切ることのできるゲート・ターンオフ・サイリスタ(GTO)も開発された。光によってスイッチングを行う光サイリスタもある。いずれも大電流をスイッチできるので、各種制御装置、保護装置、調光装置などの大電力装置に使われる。
(荒川泰彦 東京大学教授 / 桜井貴康 東京大学教授 / 2007年)

出典:(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

日本大百科全書(ニッポニカ)

サイリスタ
さいりすた
thyristor
電流を制御する機能をもつ半導体素子。シリコン(ケイ素)半導体でつくられた電力用3端子スイッチング素子で、オフ状態からオン状態への切り替えを制御電極で行うことができる。シリコン制御整流器、あるいはSCR(silicon controlled rectifierの略称)ともいう。サイリスタとは初めアメリカのゼネラル・エレクトリック社の商品名であったが、のちIEC(国際電気標準会議)でその使用が認められ、一般名となっている。サイリスタは図Aのような電圧電流特性(電圧と電流の関係)をもち、逆電圧を加えたときには、普通の整流器と同じように電流はほとんど流れない。また順電圧を加えると、ある電圧でオフ状態からオン状態に移り、低電圧で順電流が流れるようになる。このオン状態にスイッチする電圧は、制御電極に流す電流によって変化し、電流を多くするほど低い電圧でスイッチするようになる。
 サイリスタの構造は、図Bのような導電形の異なる4層のシリコン半導体からなっており、陽極、陰極、および制御電極の三つの電極が取り付けられている。陽極に正、陰極に負の電圧を加えると、n1p1接合、n2p2接合は順方向バイアス、p2n1接合は逆バイアスとなって電気二重層ができ、外部からの電圧はほとんどp2n1接合にかかる。このときの電流は、大部分がp2n1接合の逆電流からなる。しかし制御電極から電流を流すと、n2p2接合の電流が増え、n2層から注入された電子がp2層を横切ってn1層に到着し、電気二重層の電荷を中和してp2n1接合の電圧を下げる。するとn1p1接合にかかる電圧が上昇して電流が増し、その結果、電気二重層の電荷が中和され、p2n1接合の電圧をさらに下げる。これが繰り返されて低電圧で電流が流れるようになり、スイッチ作用が発生する。このサイリスタでは、いったんスイッチしてしまうと、制御電極でオフ状態にすることはできないが、オフ状態にできるサイリスタも開発され、GTO(gate turn-off thyristorの略称)とよばれている。
 サイリスタを交流に用いると、半波ごとに通電する位相を制御することで電流量が変化するので、扇風機、洗濯機などの交流モーターの回転速度の無段階制御ができる。また、これを用いて直流から種々の周波数をもつ交流をつくることができるので、JRの交流電化区間における電車の速度制御、商用電源の50ヘルツ(関東)と60ヘルツ(関西)間の周波数変換にも使われている。この方法は交流モーターの電子制御に適しているので、1990年代以降ではエレベーターの速度制御や、家電品のモーターや自動車用のモーターの速度制御、高効率化のため広く用いられている。[右高正俊]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
(C)Shogakukan Inc.
それぞれの解説は執筆時点のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

サイリスタ」の用語解説はコトバンクが提供しています。

サイリスタの関連情報

他サービスで検索

(C)The Asahi Shimbun Company /VOYAGE MARKETING, Inc. All rights reserved.
No reproduction or republication without written permission.

アット・ニフティトップページへ アット・ニフティ会員に登録

ウェブサイトの利用について | 個人情報保護ポリシー
©NIFTY Corporation