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サロメ【さろめ】

日本大百科全書(ニッポニカ)

サロメ(新約聖書)
さろめ
Salomギリシア語
Salome英語
『新約聖書』の登場人物。ガリラヤとペレアの領主(前4~後39)であった義父ヘロデ・アンティパスの誕生日の祝宴で舞い、その褒美として、母ヘロデヤにそそのかされて洗礼者ヨハネの首を所望した王女。サロメという名は福音書(ふくいんしょ)(「マタイ伝福音書」14章、「マルコ伝福音書」6章)にはなく、ヨセフスの『ユダヤ古代誌』Josephus, Flavius “Ioudaik Archaiologia”17巻による。サロメは、洗礼者ヨハネの死にまつわるエピソードとして、とくに首を盆にのせるというショッキングな事件のために有名であり、オスカー・ワイルドの戯曲の悲劇性や、リヒャルト・シュトラウスの楽劇で演じられる「七つのベールの踊り」の官能美に目をひかれやすい。それとは別に、サロメを通して当時のユダヤの宮廷生活の近親婚に触れることができる。母ヘロデヤはヘロデ大王の孫娘で、叔父たちの政略結婚に翻弄(ほんろう)されたとも理解できる。[市川 裕]

出典:小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)
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